Futuresource Consulting「Tablet Market Update Report」によれば、2012年Q3 (7月~9月) タブレットPC世界総出荷台数は3,200万台を超え、対前年成長率は75%となった。2012年の出荷台数は1億3,700万台に達し、今後数年で約3倍の伸びを見せ、2016年には3億5,200万台に届くと予測している。
全世界の主要地域で著しい伸びを見せているが、需要の大半を占めているのは依然個人消費である。一方、教育及び法人部門の成長も急速に進んでおり、現在B2B需要は全市場の11%。特に教育部門はB2B出荷台数の26%を占めており、これは2012年Q3総出荷台数の3%にあたる。個人用電子機器の教室での利用を反映する動きが伺える。
2010年から中国市場の動向を追っているが、ホワイトラベル (メーカー名無し) が世界の出荷台数に影響を及ぼしている。2012年に入りQ3までに、約600万台の中国製ホワイトラベルが出荷されており、これは中国全市場の40%強にあたる。2012年年間では、900万台~1,000万台に達すると見込まれ、これは中国全市場の約50%に相当する。
依然市場を牽引しているのは米国で、所有台数では、現在全世界の43%を占めており、2012年末までに約9,000万台となる見込み。欧州市場の動きは遅く、2012年末での所有台数は約4,500万台と予測している。ブラジル・ロシア・インドの新興国市場では、米国や欧州の2倍以上の伸び率を見せてはいるが、基となる所有台数は遥かに少ない。
現在そして今後の出荷台数の伸びは多くの要因によって左右される。中でも最大の影響要因は価格である。プレミアムの高級ブランドの価格が下がったことにより、より幅広い層に行き渡っており、既に多くのユーザーはアップグレードを検討している。Samsung Galaxy Tabがその例で、欧州全域において打ち出した値下げ戦略が販売台数の増加につながっている。
市場全体では、平均出荷価格がUS $370を下回っており、前年比24%減となっている。低価格化にもかかわらず市場全体の金額は伸び続けており、今後の見通しも非常に明るく、予測期間である2016年まで力強い伸びを続けると思われる。