Futuresource Consultingは、2014年までに、アメリカ・西ヨーロッパ・日本におけるホームオーディオ総出荷数の60%がネットワーク対応になると予測している。ネットワークシステムの急成長により2012年の10%の予測から大幅な伸びを見せると思われる。
2011年のミュージックディスクの最終売り上げは140億ドルとなり、オンラインでの売り上げ60億ドルの倍以上の金額となる見通しであるが、オンライン革命は多くの支持を得ており、パッケージメディアの販売は減速傾向にある。2015年にかけての予測では、オンライン市場は成長するものの、パッケージメディアの収益減を相殺するまでには及ばない。
ハードウエアの出荷数においては、ドックスピーカーがホームオーディオ市場を独占しており、2011年の総計では市場の約60%を占める見込みである。しかしながら、iPod市場の成熟に伴い、iPod用ドックスピーカーの需要も成熟期に向かうと思われる。
一方、iPhone と iPadの販売は右肩上がりで、ネットワーク対応スピーカーの需要に拍車を掛けている。有料音楽配信サービスやインターネットラジオもネットワークシステム利用を促す要因となっており、Wi-Fi対応デバイスでは、ハードウエアの搭載機能に頼らず、インストールしたアプリから直接音楽をストリーミングできるという利点がある。
また、ワイヤレスでiTunesからオーディオデバイスに接続できるApple Airplayが、ネットワーク接続への関心を広める引き金となっている。これに対し、競合各社も、スピーカーにデバイス本体を接続させるのではなく、独自のネットワーク対応商品開発の必要性を念頭におき商戦に臨んでいる。特にAndroidデバイスを対象としたBluetooth等の付加技術は、今後より重要な役割を果たすことになろう。複数の接続デバイスを介して、より多くの人が直接インターネットからコンテンツのストリーミングを行うようになれば、その結果としてオーディオのマルチルーム(複数室)化が進むと期待される。