フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 13

マルチプル・プラットフォームによる写真共有の一般化

2012年01月11日

Futuresource Consultingが英国と米国で行った撮影と写真共有に関するトレンド調査では、2カ国間でのカメラの所有・利用状況の類似点が目を引く。

英・米において18歳以上を対象に、撮影デバイス及び写真の保存・共有手段に関し2,000件に渡るオンライン調査を実施。

この結果、特に英国において、18~34歳の消費者は、他のどの年齢層よりも、カメラ付き携帯電話で撮影を行っていることが明らかになった。TwitterやFacebookといったソーシャルネットワーキングサイトを利用し簡単にイメージを共有し、スマートフォンやタブレットなどの接続デバイスからアクセスできるという利便性が評価されている。

カメラ付き携帯電話の利用が一番低いのは、55歳以上の人たちで、撮影には従来のデジタルカメラを利用している。

英・米両国の回答者の約80%が、家族や友人と一部または全ての写真を共有している。

写真を共有する手段として最も多かったのは、「実際にカメラを使って見せる」で、英国では38%、米国では35%であった。次に「E-mailで送信する」が英国では26%、米国では34%。3番目に多かったのは、英国では「ノートパソコンやネットブックPCを使って見せる」に対し、米国では「デスクトップPCを使用する」傾向にあることがわかった。

英・米の回答者の約60%は、イメージの保存・共有・印刷にウェブサイトを利用している。最も人気のサイトはFacebookで、利用者の多くは女性である。英国ではFlickr、米国ではSnapfishが第2位につけている。

ここ数ヶ月のDropboxやGoogle+の利用数急増には目を見張るものがある。これは、Google+が2011年夏に紹介されたことによる一時的な動きかもしれない。

米国ではいわゆる「silver surfers(白髪のネットサーファー)」の動きが活発で、ウエブサイト利用者の30%以上が55歳以上である。これに対し英国では19%となっている。55歳以上の人たちが最も好んで利用しているのは、Kodak GalleryとSnapfishである。

これらのオンラインサービスには1,000億枚以上の写真が保存されており、フォトブック購入者の内75%は、12ヶ月以内の再購入を検討している。この調査結果から、フォトブック市場には、効果的なCRM戦略(顧客との良好な関係構築)による増収の可能性が秘められていると言える。購入を促す動機付けを与えることで新規顧客を捕らえることも重要な戦略の一つで、各社は、写真を印刷する傾向にある高年齢層に焦点を絞り、テレビや新聞媒体を通して「想い出保存」をコンセプトとした販促キャンペーンを構築している。