フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 201

在宅中のメッセージングがスマートスピーカーセグメントを増進、AmazonとGoogleをトップスポットに押し上げる

2020年05月31日

―Futuresource Consultingの「Worldwide Home Audio」トラッカーから新たにリリースされたデータによると、スマートスピーカーがホームオーディオ市場を促進させ、これによりAmazonとGoogleがブランドシェアランキングでトップの座を獲得した。コロナ禍がサプライチェーンに難題や混乱を引き起こし、家庭用オーディオ市場全体に下向きの圧力をかけ、結果として音声アシスタントを搭載していないデバイスが前年比で20%以上減少するなかでの検討となった。

好調のスマートスピーカーセグメント

ホームオーディオ市場におけるAmazonとGoogleの成長により、スマートスピーカーが潮流の変化に持ちこたえていることが分かります」とFuturesource Consultingのマーケットアナリスト、Guy Hammett氏は言う。「消費者にアピールする分野ですので、今後も逆流に逆らう形で伸びていくでしょう。消費者にとって、スマートスピーカーが数多くの機能を提供してくれる魅力的な商品であるのは確かですし、これらの製品は新型コロナによる外出制限の前からすでネットで頻繁に購入されていまししたから、小売店が物理的にロックダウンされても影響はさほどありませんでした。しかも、スマートスピーカーは特に家庭での使用向けにできています。 さらに、資金力のあるテックジャイアントは、経済的に不確実な時代でも自社基幹商品の助成を続けています。これに続いて好調なのがスマートディスプレイで、2019年には対前年比373%の成長を見せ、第1四半期も、ビデオ通話やビデオチャットをキーとなるユースケースとして非常に好調な伸びを示しています。

それとは逆に、Bluetoothスピーカーは第1四半期で行き詰まりを見せており、前年同期比で25%以上も減少している。Futuresourceの調査では、これらのデバイスの購入トリガーは主に屋外での使用であることから、主要経済国のほとんどがロックダウンを実施するなか、ロックダウン中もスピーカーを購入していた消費者にはBluetoothよりもWi-Fiスピーカーを選ぶ傾向が強かったとしている

サウンドバーにとって映像コンテンツは果報

Futuresourceの映像コンテンツ調査によると、ストリーミングメディアの消費がかってないほど増えている。米NBCUniversalの「Peacock」やWarner Mediaの「HBO Max」といった大型ローンチ発表や買収にAppleTV +、Disney +、Netflix、Amazon、Huluの参入も加わり、消費者にこれまで以上の選択肢がもたらされることとなった。そしてこうして選択の増えた消費者の多くがホームエンターテインメントエクスペリエンスの向上手段を求め出し、テレビの音質の向上手段としてサウンドバーに目を向けるようになった。その結果、サウンドバーは、前年比でわずかに減少はしたものの、非スマートワイヤレススピーカーを大幅に上回る売上を見せた。

「ブランドを見てみますと、第一四半期において最大の顧客内シェアを獲得したのはスマートスピーカー市場に強い関心を持つテックジャイアントでした」とHammett氏は言う。 「Amazon、Google、Baidu、Alibaba、Xiaomiはすべて、市場全体と比べ好調ぶりを示しました。スマートスピーカー以外では、主要オーディオブランドの多くが前年同期比で2桁の減少となりました。ただし出荷量では、一部の小規模な地域プレーヤーほどの停滞は見られませんでした」

最新のFuturesourceレポートによると、第1四半期において最も厳しい市場環境におかれていたのは西ヨーロッパで、中にはコロナ禍の市場への影響がすでに2月下旬から現れていた国もある。米国における影響は西欧ほどではなく、売上高は3月中旬まで持ちこたえていた。中国の需要は、第1四半期を通じて驚くほどの堅調が続いた。

成長が軌道に戻る

「第1四半期の範囲を超えて、市場復活の兆候がいくつか見られます」とHammett氏は言う。「4月に行った予備調査の結果には、米国の需要が大幅に回復したことが示されています。西ヨーロッパでも上昇傾向が見られますが、米国ほど顕著ではありません。2020年全体を通した中国の需要は、新型コロナの打撃を受けなかった場合と変わらないほど高くなると予測しています」

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