インフレが加速し、経済がいまだにCovid-19のパンデミックの余波に苦戦を強いられており、どうやら世界的経済不況に突入するのは避けられそうにない。世界の先進国経済は低迷し、経費圧縮をみることになるだろう。特に2022年下半期から2023年末にかけてそれが予測される。この情勢は家庭用オーディオ市場にとって暗い見通しをもたらしているが、Futuresourceは今のところ景気後退の見通しに対して控えめなアプローチを維持している。
2008年の世界的な経済崩壊で消費者の可処分所得と資産が劇的かつ即座に打撃を受けたものの、2022年の当社の状況は大幅に異なっている。世界の市場と各国政府は、今よりも経済低迷が深まっていくという懸念を膨らませている。つまり、直ちに衝撃を受けるというよりは、消費者の可処分所得が徐々に食い潰されていくという懸念だ。このため、かつて経験した様な急速な立ち直りとは逆に、経済回復の効果が現れるまでにこれまで以上の時間がかかることにもなるはずだ。
迫り来る不況に対して、Futuresourceは複数のシナリオを用意した。一つは、各国政府がインフレ抑制に成功し、予想よりも不況の痛手は浅く済むという見解で、その結果2023年以降の回復が強力に上向いていくというシナリオだ。もう一つのシナリオではより厳しい見通しを出しており、2023年は経済活動に決定的崩壊がもたらされるというもの。この見通しのもとでは、経済回復が長引き、2024年後半かそれ以降まで尾を引く。これらのシナリオは共に当社の現在の予測と照らし合わせて検討されることになる。
この状況が具体的に家庭用オーディオ市場に対して与える影響
世界経済の低迷が家庭用オーディオ市場に影響を及ぼすことは避けられない。特に、低価格商品が最大の打撃を受けることになろう。高額商品については、広範な景気後退にも持ち堪え、その恩恵を受けることのできる消費者層が対象となっており、堅調を保つと予測される。近年高級オーディオ製品が大幅に需要を伸ばしており、その部門は前年度レベルの需要を維持するか、あるいはそれ以上に需要を伸ばすと思われる。