没入型音響技術が消費者の心を捉えており、Futuresource Consultingの新しい調査によると、回答者の半数以上が空間オーディオでコンテンツを体験したことがあることが明らかになった。アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、中国で実施された「Audio Tech Lifestyles」で、2022年6月に1万人以上の消費者を対象に調査が実施された。また、2021年の調査ですでに相当な知名度があったDolby Atmosが最も認知度の高い技術であった。
変化する消費者行動
Futuresource Consulting社のディレクター、Carl Hibbert氏は、「パンデミックにより新しいオーディオ視聴行動が確立された」と述べている。「消費者が再び外出するようになったにもかかわらず、音楽、ポッドキャスト、オーディオブックの聴取の大部分は依然として自宅で行われている。家庭以外では、自動車が最も一般的であり、特にラジオに人気があった」
ヘッドフォンは依然として人気
調査では、音楽、ポッドキャスト、オーディオブックを聴くためのデバイスとして、ヘッドフォンが好まれていることがわかった。しかし、スマートフォンやラップトップで直接聴く方法も、Z世代では上位にランクインしている。また、外出先での視聴ではヘッドフォンが大きな割合を占めていた。
2021年の調査結果と同様に、音楽を聴く方法はラジオとYouTubeが最も多く、ストリーミングも7割以上の回答者が利用していることがわかった。同様に、音楽の発見も、やはりYouTubeがリードしているが、2021年との比較では、TikTokの人気が最も急上昇している。
レコードの人気は高まっているが、利用していない人も多い
近年、レコードの購入・試聴が復活しており、パンデミックも市場をさらに盛り上げている。中国を除くと、調査回答者の40%がレコードを購入すると答えている。
「レコードの魅力は、購入者の半数以上が実際にレコードを聴いていないことだ」とHibbert氏は言う。「ターンテーブルを持たず、純粋にコレクションとしてレコードを購入する人もいる。ターンテーブルを持っていても、コレクションを再生するために必要なオーディオ機器を持っていなかったり、正しく接続する方法を知らない場合もある」。
音楽配信は安定的に推移
この新たな調査によると、音楽ストリーミングの加入者シェアは昨年と変わらず、市場が安定しつつあることを示している。スタンダードプランとファミリープランが引き続き最も好まれるストリーミングプランである一方、SpotifyのデュオプランとAppleのボイスプランも人気を博しているとFuturesourceは指摘している。
2020年と2021年に実施したFuturesource Audio Tech Lifestylesの過去の調査では、消費者がストリーミングサービスに追加したい機能として最も要望が多かったのは「高音質化」だった。しかし、主要なストリーミングサービスのほとんどがハイレゾ音源を提供している現在、この要望は3位に後退し、代わりに歌詞を表示できるようにしてほしいという要望が挙がっている。
生活費危機の影響は軽微
Hibbert氏は、「将来を見据えて、生活費危機の結果、ストリーミング配信の契約をどのように扱うかを尋ねた。3人に1人は、何も変えるつもりはなく、加入を継続すると答えた。その他の人は、同じサービスを維持するが、より安いプランを探すと答えた。しかし、ストリーミングサービスの利用を完全に止めると答えたのは5%だけだった」と話した。