Futuresource Consultingの最新調査によると、全てのゲームプラットフォーム (モバイル、PC、コンソール) のソフトウェアの売上げは2017年には460億ドルに達した。2022年までには600億ドルを超えると考えられており、その要因として中国での売上げが急増し、国際モバイルゲーム収益のほぼ1/5に相当する。売上げは低いにも関わらず、新興市場は予測期間に最高の成長率を上げ続けているのは、ハイエンドのスマートフォンの発売、種類の増加、支払い機能がモバイルアカウントにリンクされたからである。多くの関係者が認めていることは
「中国とインド市場は未知の可能性を秘めています。インドのモバイルゲーム市場は急成長することが見込まれていて、モバイルブロードバンドインフラストラクチャーの急速な開発のお陰で、オンラインゲームの人気が上がりました。モバイルアカウントにリンク付けされた支払いシステムの数は増加していますが、まだ少ないので新興国でのモバイルゲームの発展を妨げているのです。」Futuresource ConsultingのマーケットアナリストのTristan Vealeは述べた。
インド、南米、東南アジア (SEA) は、次のモバイルゲームの成長を担っていると予測されているが、先進国に比べ、加入者一人当たり平均売上 (ARPU) は低い。
「日本市場は、世界最高のARPUを上げ、毎年50ドル以上をスマートフォンのゲームに費やしていますが、今後も増加し続けることでしょう。それに比べ、インド市場は現在、年間平均2ドルを少し越える程度ですが、今後の成長に大きな期待が寄せられています。」とTristan Vealeは述べた。
インドや東南アジアのような新興市場では、フューチャーソースは、『モバイル第一市場』を構築する機会があることに注目している。それは消費者ゲームの導入プロセスにとって重要なステップである。通常、新興市場の消費者がゲームの世界を体験するための最初のステップはモバイルであることから、もっと品質の高いゲーム体験が得られ、それを達成するためにより多くの投資が必要であることが分かるようになるだろう。これが実現するには、まず最初にモバイルのハイバリューユーザー (HVU) になり、消費者が成熟してよりハイエンドなゲーム体験をコンソールやPCゲームに求めるようになってから、コンソールやPCゲームのHVUになることである。大手ゲーム製造会社にとって素晴らしいニュースである。
モバイルゲームの製造販売に対する障害は、近年減少して来た。しかし、先進国でのユーザーの獲得がより難しくなって来たため、十分に開発され、十分な資金提供を受けた大手製造会社のゲームが長年売上げ上位を占めて来た。巨大企業の独占が増しているが、製造権を有する独立開発者やパブリッシャーのコミュニティも繁栄している。ユニバーサルゲームエンジンが利用できるようになり、大手パブリッシャーが知名度の高いゲームを製造する独立開発者を買収する機会を作り出した。
ゲームとエンターテインメントの境界線は多少曖昧になり始めた。エンターテインメント企業は知的財産 (IP) をゲーム化する機会を逃さなかった。大手映画会社が映画の権利を提供したため、ファンタジーの世界でゲームができるようになった例もある。これはファミリー映画やマンガから派生したIPに限られたことではないが、その種の映画が多いことは確かである。リアリティテレビ番組など、広範囲のコンテンツが含まれている。モバイルゲーム市場が繁栄していることと、エンターテインメント企業がそのコンテンツに対する興味と楽しさを利用して、更に利益を得る方法を模索していることから、この形態のエンターテインメントが今後急増することだろう。
また、モバイルゲームの重要性が増したことが認められたのは、モバイルワールドコングレスが2018年に初めて『モバイルゲーム賞』の設立を発表したことにも起因している。