Futuresource Consultingは、世界全体のホームビデオ・エンターテイメントに関する業績と様相の年間評価を発表し、そこで2016年のマクロトレンドならびに2017年以降の見通しについて詳述している。この最新分析では、一般家庭がこれまで以上にビデオ・エンターテイメントに対して支出をしており、2016年にはホームビデオとペイTVを合わせた市場の合計は2,515億ドルとなって、前年から3%上昇したことを強調している。
この市場評価では、デジタルビデオ (SvoD、TvoD、EST、ペイTV VoD)、パッケージビデオ (DVDおよびブルーレイ)、ペイTV市場全般の消費者支出についての報告および見通しを行っている。Futuresource Consultingで市場アナリストを務めるTristan Veale氏は、いくつかの注目すべきトレンドについて次のように語った。「ビデオ・エンターテイメント全般の支出は、2020年までに年率3%の成長で2,800億ドルに上昇する見込みです。2016年はペイTVが世界全体のビデオ・エンターテイメント関連支出の86%を占め、市場におけるペイTVのシェアは、伸びが物理的なビデオおよびデジタル・ホームビデオ双方における支出と一致しているので、今後も安定的であると思われます。」
「SvoDは2016年に傑出した結果を残し、この勢いは2020年以降も続くものと予想されています。2016年末には同市場における世界全体の加入者数が、2億3,600万に達するものと予想しており、2020年までには加入者数が4億8,500万とほぼ倍増すると見込まれています。」とVeale氏は続けた。現在、この分野におけるNetflixの優位性は、Amazonによる大々的な挑戦で脅かされており、さらに多額の収益に魅了されたコンテンツ制作事業者、ハードウェア製造業者、通信事業者を含む世界規模のエンターテイメント企業もターゲットにしている。
Veale氏は、「世界全体のパッケージビデオ関連支出は減少傾向にあり、その損失はデジタル配信では補いきれません。2015年には、DVDおよびブルーレイ全般の年間支出は13%下落の216億ドルとなり、2020年までに91億ドルまで落ち込むものと思われます。2016年に関しては、非常に好調であった2015年後半の劇場作品がホームビデオの販売までうまくつながり、さらにUHDブルーレイというよりプレミアムな規格の導入で、市場はわずかな潤いを見せました。しかしながら、為替変動の要因からドルベースでの下落率は17%まで増加しました」と付け加えた。
この最新のFuturesourceレポートでは、主に急速に拡大しているNetflixに牽引されて、デジタルビデオの進歩が華々しいことを強調している。配信型デジタルビデオ市場内では、現在低迷しているレンタルおよび購入型ビデオ双方に関して、その柔軟性が疑問視されている。2015年にデジタルビデオ関連支出は175億ドルに達し、SvoD関連支出がその60%を占めた。2016年には前年から30%伸びて、デジタル関連支出は初めて220億ドルに達し、180億ドルまで下落した物理的なビデオを超えた。