フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 127

家電メーカー – 4K UHDの真の勝者

2016年12月31日

Futuresource Consultingは、4K超高精細技術 (UHD) 採用に関する業界動向にハイライトを当てた最新の4Kレポートを発表した。家電メーカーは、大衆市場向け価格で高性能機器の展開の幅を広げている。しかしながら、現在市場に出ている消費者向けテレビおよびその周辺機器は、4K UHDの潜在的利点のごく表面的な一部を実現しているにすぎない。この1年間を通じて5,500万台の4K UHDテレビが販売され、2016年末までに全世界の5%の家庭が4K UHDテレビを所有することになるであろう。

コンテンツ配信プラットフォームにもよるが、2016年に4K UHDは様々な進歩を遂げた。最も特筆すべきはUltra HDブルーレイで、ディスク販売は発売開始から好調を維持している。

2016年末までには、全世界で約300万枚のディスクが販売されると見込まれており、小売店舗サポートが特に充実していたアメリカがこの勢いを牽引している。「新しい動画技術の採用を幅広く促進するという点では、番組放送が最も重要な分野です。放送局では4K UHDの付加的機能を非常に重視しており、そのような機能を伴うサービスが2017年に展開されることが予測されます。

このため初期の4K UHDテレビ購入者の多くは、コンテンツに対して現在進められている品質改良の恩恵を適切に受けるために、新しい製品を購入する必要性が出てきます。」と、Futuresource Consultingで市場アナリストを務めるTristan Veale氏はコメントした。

UHDへのアップグレードには多額の投資を伴い、ほとんどの放送局はそこに確固たるビジネスケースが存在すると考える場合にのみ、取り組みを明言している。そこには放送権獲得コスト、配信コスト、伝送路容量や衛星中継器のスペースに関するコストの増加が主な検討要素として存在し、さらには大衆市場展開への潜在的障壁といったことがある。同レポートでは、いかにオーバーザトップ (OTT) 4K UHD配信コンテンツにとって様々入り交じった1年であったかを詳述している。

定額制動画配信サービスは、この新テクノロジーを早くから採用し、高ダイナミックレンジ (HDR) や広色域 (WCG) といった付加的機能を導入して市場を先取りしてきた。これらのサービスにとって、4K UHDのコンテンツが必ずしも加入者数増加の主要因ではないが、実際に解約率の低減に役立っており、またNetflixにとっては、既存ユーザーのより高額サービスへの契約締結に役立っている。

都度課金型のデジタル動画サービスにおいて4K UHDコンテンツを推進しているサービスは少なく、その普及はまばらとなっている。都度課金型オンライン動画サービスを牽引するApple iTunes Storeは、4K UHDコンテンツの提供をまだ明言しておらず、またApple TVは4K UHD機能を展開していない。

しかしながらFuturesourceでは、家庭向けブロードバンド改善に向けた継続的な流れに支えられ、主要サービスが4K UHD機能を追加することで、2017年に一気に広まるであろうと予測している。

同レポートでは、熱心な早期購入者が考えられるすべての動画配信元から、エンド・トゥ・エンドでHDR、WCG機能を持つゴールドスタンダードの動画体験を満喫できるようになるまでの期間、4K UHDテレビを複数バージョン買い換える可能性があるほど、技術的進歩が落ち着くまでにしばらく時間がかかるであろうと強調している。

HDRやWCGの後でも、より高いフレームレートの導入やオーディオ機能の向上が行われるであろう。2017年末までには、アメリカの24%の世帯がUltra HDテレビを所有していると思われる。しかしながら、HDR機能を持つテレビは全世帯の約14%であろう。

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