Futuresource ConsultingによればK-12教育分野向けのパーソナルコンピューター販売にとって難しい年になるという。その見通しは、不安定な経済や政治状況によって複数の国家的大規模入札案件が不確かとなっていることから、どうやら間違っていなかったようである。FuturesourceのK-12レポートでは、グローバルな端末販売動向を追跡しており、2016年前半の販売台数は1,240万台で、前年同期の1,400台と比較して12%減となったことが示されている。
この減少の大部分は、ラテンアメリカ地域の鈍化によって説明することができる。同地域では従来から毎年のように大規模な国家ぐるみの展開を行ってきたものの、世界的な石油価格への圧力によって、それら国々におけるプロジェクトの資金確保に大きく影響した。さらに、トルコにおける政治的混乱により、進行中であったFATIHプロジェクトの一時中断を余儀なくされた (現在のプロジェクトの状況は不明)。2017年の見通しについては、世界規模の台数で3,000万台超に大きく回復し、堅調に推移することが見込まれている (2016年から19%増)。
アメリカ国内市場は引き続き堅調に推移ししている。しかしながら、2016年前半は引き続き市場は成長しているものの (台数は2015年の570万台から640万台に到達)、2014年と2015年 (オンライン評価への切り替え) の爆発的な成長の後でその伸び率は鈍化している 。各学区では1:1学習プログラムの強化・拡充に取り組んでおり、買い替え市場は堅調に成長している。台数の伸びに牽引されて、価格ラインは引き続き低下しており、複数のChromebookで150ドル、新たなWindows入門レベル端末の価格帯は300ドル未満のラインまで下がっている。
2イン1端末が教育分野の力強い伸びを後押し
2017年は2イン1端末 (従来のノートブックとして使える一方で、取り外し可能なキーボードやコンバーチブルタイプでタブレットとしても使える端末) が、プロバイダーにとっての主戦場となることが予測される。2イン1端末は、多くの場合高学年の生徒が必要とする効率的な要件と、タブレットの触覚的入力の利点の双方が備わっているため、教育に理想的であると長い間考えられてきた。
これら端末の価格は大幅に下落しているなか、今後6か月の間にWindows、Chrome OSプラットフォーム双方の端末が幅広く発売される予定で、300ドル前後の価格帯になりそうである。アメリカ国内市場における2イン1端末は、2015年の6%から2017年には18%へと成長することが予測される。