Futuresource Consultingは、新しいバーチャル・リアリティ (VR) レポート「バーチャル・リアリティはニッチかマスマーケットか?」の発行を発表した。この調査が示すのはユニークユーザーと一般消費者の実態データだけでなく、この市場に投資することを判断する時、そしてこの技術をニッチからマスマーケットに広げる主要要因は何かについて理解する時に考慮すべき障害と推進要因やエコシステムに関する多様な見解を示している。
このレポートは、大衆消費電子製品、放送、教育やB2B垂直市場の世界を含む幅広い適用範囲に対するこの技術の可能性を探っている。またFuturesource「生活とデジタル」レポートやデバイス所有者、使用とデジタルコンテンツ消費のグローバル研究からの動向の立証と一致に一体となっている。
バーチャル・リアリティはまだまだ「イノベーション」の段階に過ぎないが、多種多様な主だった第一世代ヘッドセットが市場に出回るに従って、今後数カ月で変化し始めるであろう。Google、Facebook、SamsungやSonyといった世界最大で最も重要ないくつかの企業はこの新しい技術に多くの信頼を寄せており、すでにマスマーケットリリースに向けて必要なエコシステムを導入している。
「現在消費者意識は比較的新しい技術には良好であるが、その道のりは長く、特に重要な16歳から35歳の人口層により意識づけが必要です。大げさのようですが、わずか3%の消費者しかVRを試したことがないことは大きな問題です」とFuturesource ConsultingのシニアアナリストAdam Coxはコメントした。「人々を大量のお金を使うよう説得するにはさらに大きな高まりが必要だということです。人々は購入するかもしれない物を理解する必要があるのです。それができるのは最大限のマーケティングではない。皆さんはVRを体験する必要があるのです。VRはこの業界全体に莫大な利益をもたらすチャンスを作り出す可能性を秘めています。もし消費者がこの技術に目を向けることなく、またそれを試してみる機会がなければそれは失敗するでしょう」
「今のところ平均的な消費者がVRを体験する機会はほとんどありません。今非常に多くのヘッドセットが利用できますが、VRを体験するために消費者はヘッドセットを持っている友人や仲間を大きく頼るか、トレードショーや同様の他のプロモーションイベントに行く必要があるのです。従って、このチャンネルは消費者を教育する上で大きな役割を果たします。というのも消費者が初めてVRに触れる必然的な場所になるからです。
もし人々が購入前に体験してみるチャンスがなければ、ヘッドセットの売上を制限し、誇大広告の力で多額のお金を費やしたが、VRの現実に落胆してしまった人々から反発をうけるリスクになります。」とCoxは述べた。
世界的なヘッドセット市場はまだ初期の段階である。この市場はこの先半年以上で大きく加速するとはいえ、今までのところ販売台数は低い。2015年第4四半期に発売されたSamsungのGear VRコンシューマユニットだけでなく、間近に迫ったOculus RiftやHTC Viveの発売は今年の末に発売されるPlayStation VRヘッドセットとともに市場を一変させるだろう。
人々がVR体験に最も関心のあるコンテンツに関しては、Futuresourceの調査によると、映画やゲームである。それらがコンテンツリストの中で最も高く、サンプル消費者の39%がVRの映画体験に興味があった。一方38%がVRゲームに興味があった。
VRのスポーツ体験に興味があるは消費者の26%しかいなかったが、映画やゲームと同様、このジャンルに既にお金をつぎ込んでいる (映画料金やスポーツ会員とかゲーム機) 消費者は高い水準の興味を示した。
ゲームは消費者をVRに取り込む主要促進力の1つであると多くの人が考えているが、このレポートでも注目されている分野だ。これに対し大きく貢献するのが、インストールベースPS4ゲーム機の継続的な成長である。これはSony自身のヘッドセット需要拡大の中心になるだろう。PCゲーム分野において、Oculus Riftは大きな宣伝を行なっていてハイエンドゲーム市場で勝つことは難しいかもしれないが、Valve社とそのSteamゲームプラットフォームの優勢がHTC Viveヘッドセットの普及を拡大する。
Futuresource Consultingは全消費者向けVRコンテンツ (ビデオ+ゲーム) が2020年までに83億ドルに達すると予測している。