2015年6月12日英国Dunstable発-英国市場調査会社Futuresource Consulting社は、全世界のタブレットに関する最新レポートをリリースした。そのレポートによれば低コストのアンドロイド機器がAppleの市場シェアを抑えて伸びている。より低価格なiPadの投入やPCブランドの積極的な低価格化戦略により、2010年から2014年の間にタブレットの平均価格は大幅に下落した。
Futuresource社のレポートでは、その予測対象期間中、出荷台数は増加を続けるにも拘らず、2014年以降は一般消費者向けの販売が伸び悩みその小売価格が徐々に低下するため、タブレット市場は世界的に小売価格の伸びが減速すると予測している。
B2Bの販売は将来的に需要の伸びを大きく牽引する分野であり、とりわけ先進国市場での伸びが著しい。発展途上国では企業間取引 (B2B) の需要は伸びていないが、今後も高価格が妨げとなり大きな成長は期待できない。
「職場でのタブレットの利用はこれまでほとんどBYOD、つまり個人デバイスを仕事でそのまま利用する形で伸びてきました。またタブレットはPCの置き換えというよりはむしろ補助的な役割で利用されています。」Futuresource Consulting社の家庭用電化製品担当副部長Simon Bryantはこのように語る。「タブレットのセキュリティや検証の不十分なアプリなどの問題点もB2Bの伸びを妨げる要因となっていました。現在では多くのタブレットがラップトップと同じ個人情報保護指針を持って運用を進めているため、こうした恐れの多くは解消されてきたところです。」
Futuresource社は、B2B販売を伸ばす鍵は生産性の向上するアプリ、ソフトウェアの統合ソフトウェア統合プラットフォーム、電池寿命の向上および今日のPCに匹敵する技術性能が得られるかどうかにかかっており、それによって2019年までには出荷総台数として30%の伸びが見込まれると強調する。従って、より大型のスクリーンを搭載しPCの全機能を備えたようなタブレットが市場に投入され、とりわけAppleとPCの販売会社から出されるならばB2B部門はさらに大きく伸びるだろう。
より小型のスクリーンを持つタブレットが現在は市場の主流となっており、2014年は出荷額の71%を占める。しかしながら、これはファブレットの需要の高まりで一番の打撃を受ける部分である。大型スクリーンを持つスマートフォンと小さめのスクリーンを持つタブレットがちょうどぶつかり合うからだ。その結果、大型スクリーンを持つタブレットが将来的にはシェアを伸ばすとの期待から、製造各社は2015年末までに7インチから8インチ以上の機器の製造へと移行を進めている。
この最新レポートでは、タブレット市場の発展をその数量、小売価格や流通価格、主要ベンダーに関して深く調査し、市場の基本的な牽引役と将来トレンドとに基づいて将来動向を予測している。この結果は26の国々と11の地域別に詳細に示されている。出荷に関するデータはセルイン (製造業者から小売店への販売) 段階で示される。現実の設置台数および所有台数については、小売販売の数量と置き換え率に関する知識とに基づいた見積もり数である。