フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 88

2015年、デジタルビデオ市場は発展する環境が整う

2015年04月27日

2015年4月1日英国Dunstable発– Futuresource ConsultingはVideo Insightsシリーズという、ビデオエンターテイメント業界の現在及び将来のトレンドを明らかにした一連の市場レポートをリリースしたと発表した。このレポートでは、オーストラリア、イタリア、ロシア、トルコ、英国、米国の最新の市場トレンド、課題、事業機会について分析されている。

Overall Home Video for Italy

2015年4月から5月にかけてリリースされる予定のVideo Insightsレポートでは、ホームビデオエンターテイメント市場に焦点を当てたタイムリーで価値ある最新情報が提供される。各国それぞれについて調査がなされ、各市場の製作会社、オペレーター、サービスプロバイダー大手に関する一次調査が行われる。このレポートでは各国のビデオエンターテイメント市場を概観し、各ビデオ市場の発展、市場間の影響についての評価をしたうえで、パッケージ化されたホームビデオ(セルスルーとレンタル)、有料デジタルビデオ(セルスルー、レンタル、加入者サービス)、ペイテレビ加入者サービス、ボックスオフィスの関連収入と取引状況をカバーし、その全てにアナリストによるコメント、前提条件、インサイトが付いている。

パッケージ化されたセルスルービデオ市場に関して言えば、2014年は良いところ悪いところが入り乱れた年で、多くの市場は概ね予想に沿ったものであった。多くの市場でDVDの強さが確認された。一方、DVDのバイヤーがブルーレイに移行する傾向がみられなくなっているのは明らかである。小売の環境は依然として厳しいが、英国とアイルランドではストリーミングサービスがパッケージ化された市場を活性化したことでHMVが復活を見せた一方で、両国の市場では、ポジショニングを正しく行えば、小売専業にも一定の役割があることが示された。

デジタルビデオの利用が続き、気分的に多くの消費者が所有からアクセスへ移行していることで、2014年と比較すると2015年は多くの国で所有の減少率がやや悪化するとみられる。

デジタルビデオ利用は世界的にみるとまだら模様で、ESTは米国と英国でその可能性を試そうとしているが、他の市場では、パッケージ化されたセルスルーと比較すると、この分野は依然として相対的に重要性が高くない。

多くの市場でSVoDは引き続きプレミアムオンラインビデオの視聴をリードする。Netflixは最近オーストラリアでサービスを開始したほか、今年後半にはイタリアや日本での新サービス開始が予定されており、この分野で先頭を行くとみられている。

複数の市場で政治的・経済的な不確実性による影響が引き続きみられるにもかかわらず、2015年を通して、ビデオエンターテイメント業界は発展するだろう。これを後押しするのは急速に成長しているペイテレビセグメントと、デジタルに精通しコンテンツに飽くなき欲求を持つ消費者である。

「ホームエンターテイメントに関して言えば、2015年は複数の国でデジタル関連収入が既存のパッケージ化されたメディア関連収入を上回る最初の年となるでしょう」としたうえで、「この背景には、Netflix、iTunes、Amazonのほか、現地オペレーターのBlinkbox、Okko、Presto、Stan、Chiliが同時期に、DVDやブルーレイに対する消費者需要を確実に浸食している動きがあります。テレビでこうしたプレミアムオンデマンドサービスにアクセスできるのも、成長をもたらす重要なカタリストになっています」と、Futuresource ConsultingのシニアマーケットアナリストであるDavid Sidebottom氏は述べている。

Sidebottom氏はさらに、「OTTとペイテレビは、サービスの多様性、インターネットに接続されたハードウェアの浸透、さらには多くの主要市場でのブロードバンドインフラの改善の後押しを受け、2015年も発展していくでしょう」と、続けて述べている。

Video Insightシリーズでは、パッケージ化されたビデオ、有料デジタルビデオ(電子的なセルスルー、ビデオオンデマンドの加入者サービス(オンライン、ペイテレビ))、ペイテレビ、ボックスオフィスについての5年予測を行っているほか、主要なプレミアムオンラインサービスとペイテレビオペレーターの特徴や沿革をカバーしている。

Video Insightsシリーズで取り扱っているその他の国: ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、日本、メキシコ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、スペイン、スェーデン。

本リリースへのお問い合わせは、英国Futuresource Consulting社の日本での提携先である株式会社TAK・アナリティクス・リサーチ(担当:木村)までお問い合わせください。連絡先は次の通りです。
電話: 03-6408-5566 Email Address: takashi.kimura@takanalytics.com