2015年3月1日英国Dunstable発―Futuresource Consulting の最新の調査によれば、PCとタブレットの重要度が高まっているにもかかわらず、より高価なインタラクティブフラットパネルへの移行が順調に行われていることから、インタラクティブディスプレイの価値が上昇しています。2014年にはインタラクティブフラットパネルは市場の3分の1以上を占めています。
現在新規参入者が同市場に参入し、パネルソリューションを提供してきています。この中には、極東発のソリューションをブランド化して開発しようとしているディストリビューターも数多くいます。世界市場の規模は2%減少し、130万台に達したところです。
「順調な売上を期待させるのに重要な要因の1つとして、置き換え市場が現在すでに無視できないほどの規模になっているという事情があります」、と Futuresource ConsultingのシニアマーケットアナリストであるColin Messenger氏は語っています。「学校で使われている700万台のインタラクティブディスプレイのうち、100万台分の使用年数が8年を超えています。これで数多くのエンドユーザーが現在持っているディスプレイをフラットパネルソリューションに買い換える、という絶好の機会が提供されることになります。
「これに加えて、市場価値を煽るような大規模なプロジェクトが幾つか進行中です。トルコでは現在大規模なFATIH(Movement of Enhancing Opportunities and Improving Technology)プロジェクトが展開中で、35万台のディスプレイが購入される予定です。タイと日本でも国レベルのプロジェクトが検討されていますが、まだどちらも確定ではありません。」
非常に魅力的ですがまだ未開発の隙間分野なのが、企業の会議室用のインタラクティブディスプレイです。
Futuresourceでは世界中に4600万室の会議室があると推定しており、その現在の市場占有率は、学校の教室用インタラクティブディスプレイ市場占有率の20%に比べ、1.6%とごく僅かです(2004年の市場規模は10万台を僅かに超えたのみ)。
「この市場を狙ってソリューションを開発したベンダーはこれまでほとんどいませんでした。教室用のインタラクティブディスプレイの成功は、まだ会議室環境へと移行していません。大きな課題の1つとして聞いておりますのは、簡便さの問題です。教室環境と違って、会議室用ソリューションは誰か1人が活用するという可能性がほぼ考えられません。したがって会議室用ソリューションが確実に採用されるには、完全に直感的である必要があります。
「マイクロソフトの Surface Hubの新発売がこのセクターを活気づけるきっかけとなってくれる点はそこなのです。会議室で連係(コラボレーション)することの利益を広く認識させるとともに、使い方が簡単で直感的なプラットフォームを提供してくれます」、と Messenger氏。
地域の動き、主なハイライト
アジアは2014年は前年比で15%の上昇と順調な成長を記録しており、中国は世界中の売上の半分以上を占め、上昇を続けています。
米国における売上は再び減少となりました。米国では1対1の学習プログラムがペースを伸ばし、数多くの地域でコモンコアに沿ったアセスメントの導入が景気刺激となっています。このインターネットインフラを含む1対1への大きな動きにより、教室の前に置かれるディスプレイには資金や焦点が回らなくなっています。
EMEAはトルコのFATIHプロジェクトの第2段階に助けられ、価値成長54%、規模15%と、昨年以上の成果を上げました。
イギリスでは、2014年にはインタラクティブフラットパネルディスプレイは売上の58%を占め、インタラクティブホワイトボードからシェアを大幅に奪い、価値成長を加速させるきっかけとなりました。
Futuresourceでは、インタラクティブディスプレイ市場についてマーケットセグメンテーション、原動力や障害となっているものは何か、さらに今後5年間の予想など、67か国におけるインタラクティブディスプレイ市場の現状を調査しています。
*インタラクティブディスプレイとは、教育と会議室環境で利用されるインタラクティブホワイトボードとインタラクティブフラットパネルのことを指します(デジタルサイネージといった他のアプリケーションは含みません)。