2014年12月3日英国Dunstable発―Futuresource Consultingが発表した、K-12 (幼稚園から高校まで) 教育市場におけるパソコンの世界レベルでの採用に関する最新報告によると、GoogleのChromebookプラットフォームが、米国のK-12教育市場において、2四半期連続で最も売れている機器となっている。今年第3四半期におけるChromebook PCの出荷台数は100万台を超え、全パソコン機器の35%超となった。Chromebookは、2014年1月から9月の間に200万台超が出荷され、米国内においてAppleのiPadや他のノートブックなどの競合するプラットフォームの売り上げを上回り続けている。
「米国のK-12教育市場におけるChromebookの大ヒットは、低コストという利点の範囲を越えています。」と、Futuresource Consultingの市場アナリスト、Phil Maddocks氏は語る。「扱いやすさは、米国内の学区にとって重要な判断材料で、学校内で配置される機器の数が増加の一途を辿る中、数多くの機器を容易に管理できる機能が追い風となっています。Googleでは、シンプルなクラウド・マネージメント・ソリューションを提供して、多数のChromebookを管理できるようにしています。他の競合する機器を多数管理するためには、学校は場合によっては、企業レベルの機器管理を考えねばならず、それによってコストや複雑さが増します。」
Appleブランドが首位を維持
Chromebookの急速な拡大にもかかわらず、米国のK-12教育市場において、MacBookやiPadソリューションを擁するAppleは、ブランド・リーダーであり続けている。ChromebookプロバイダーのリーダーであるAcer (Chromebookプロバイダーのトップ) とDell (Chromebookにおいて2位) は、全体の市場シェアをそれぞれ3位 (Acer) と2位 (Dell) に伸ばしている。Samsungもまた、古くなったSeries 3 Chromebookの後継として、教育市場向けに特化したIntel搭載のChromebookを最近発表し、現在までのところ同社の最大ヒットとなっている。
タブレットは大打撃を被る
タブレットのフォームファクタは、このChromebookの躍進によって非常に大きな打撃を被っており、第3四半期には再び市場牽引力を失い、前年比で10ポイントの減少となる、市場販売全体の33%となった。しかしAmplifyは、Guildford School DistrictへのIntelベースのタブレット・ソリューションの展開を、第一次展開において問題があったものの、再び開始した。Amplifyは、2014年初めに新たなIntelベースのAndroidタブレットを発表し、この機器が今回の展開に使用されており、デジタル・コンテンツや評価ソリューションと共に提供している。
「2014年における市場の成長は、コモン・コアとSBAC/PARCCアセスメントへの動きに牽引され、この傾向は2015年にも続くことが期待されています。」と、Maddocks氏は語る。「多くの教育委員会では、まだ完全にコモン・コア・アセスメントへの対応ができておらず、2015年にも投資が続くものと期待されており、2015年に市場規模は10%伸長するものと予測しています。コンバーチブル・ノートブックやディタッチャブル・タブレットといった、新しいフォームファクタが市場牽引力を獲得するにつれ、米国内の競争も過熱し続けるでしょう。Baltimore School Districtといった学区がこれらのフォームファクタを採用し、15万台のHP Resolve 810を購入するということをすでに見てきています。ChromebookとWindowsノートブックの競争もまた激化すると予測されており、2015年には多くのベンダーから200ドル以下のChromebookが市場にもたらされ、また、同じような価格帯で競合するMicrosoftのShape the Futureプログラムを搭載したWindowsベースのノートブックの出現を見ることになるでしょう。」
世界的な状況
世界的には、K-12教育市場におけるモバイル端末の採用は、かなり異なった形で展開している。Chromebookは、米国以外においてはまだ、米国内のような採用レベルにはなっていない (年初来、米国がChromebookの全世界の売り上げの85%超を占めている)。一方で、米国では顕著な上昇を見せていないAndroidタブレットが、いくつかの新興国における国家教育プロジェクトの一部として展開され続けている。
2014年の世界的に最大規模の教育プロジェクトには、トルコのFATIH (70万台超のタブレットを生徒向けに配置)、コロンビアのComputers for Schoolsおよび国による4Gオークション (現在まで35万台超のタブレットを生徒向けに配置)、および60万台超のタブレットが出荷されているメキシコの国家プロジェクトが挙げられる。タブレットは、特に大規模プロジェクトには価格が重要な判断材料となる新興国やアジア太平洋地域において、依然として機器選択の主役となっている。 ノートブックもまた、インドのElcot Phase Three、トルクメニスタンの年間教育プロジェクト、そして最近発表され、Acerが受注したグルジアのノートブック・プロジェクトなど、いくつかの国家規模プロジェクトの一部として採用されている。