2014年8月15日英国Dunstable発―Futuresource Consulting社の最新の調査によると、STB (Set-Top-Box: セットトップボックス) の2013年の世界的な出荷台数は、スマートテレビやデジタルメディアアダプターなどの競合デバイスの登場にもかかわらず、比較的安定していた。
同社シニアマーケットアナリストのJack Wetherill氏によると、「2013年のSTB市場取引価格は総額200億ドルにのぼり、ASP (Average Selling Price: 平均小売価格) は74ドルで、価格帯は30ドル以下から300ドル以上となっている」という。
販売台数は世界需要の約70%を新興市場が占め、この世界需要の44%はアジア太平洋市場からなる。新興市場の取引額は60%以下となったが、これは多くの国においてSTBの販売価格が比較的低いためである。
Wetherill氏は「2013年はHD STB (HDD内蔵セットトップボックス) が全世界の出荷台数の53%を占めており、今後はさらなる増加が見込まれ、2018年には全世界の出荷台数の95%を超えるだろう」と述べ、「ただし、HDの採用には大きな地域格差がみられる。HD STBは北米ではすでに出荷の95%を占めている一方、ラテンアメリカや中東・アフリカ地域ではそれぞれ28%と35%にとどまっている」と付け加えた。
「2013年のDVR (Digital Video Recorder: デジタルビデオレコーダー) 出荷台数は全体の16%で取引額では40%を占めており、2015年にピークに達するだろう。また北米および西ヨーロッパの合計出荷台数は世界全体の69%を占めている。
MHG (Multimedia Home Gateway: マルチメディアホームゲートウェイ) の2013年の総出荷台数は500万台を記録し、予測期間中は引き続き増加が予想されるが、Whole Home DVRサービスが提供される米国がその大半を占めるだろう。
2015年はHEVCチップセットの出荷数が伸び始めるが、HEVCでは帯域効率が改善されより多くのHDチャンネルの採用が可能となるため、2018年までに世界市場の60%を超えると予想される。ただしUHD (4K) サービスは、明確なビジネスモデルがまだないためニッチ市場として数年継続するだろう。
さらに2018年まで見越すと、市場の見通しは比較的安定しており、北米や西ヨーロッパの市場における減少を大きく補う形で、発展途上市場の成長が見込まれている。
Global Set-Top-Box Market Update Report (STB世界市場の最新報告書) は、Futuresource Consulting社による、200億ドル規模のSTB世界市場に関する7度目の年次報告書である。詳細な分析はPay-TV (有料テレビ放送) 部門に焦点をあてており、完全を期すため、FTA衛星とDTTコンバータの各分野の予測も含まれている。