Futuresource Consultingの新レポートでは、2011年のアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ合算の有料・無料(合法)作品のオンラインビデオ視聴数は7700億ビューを超えると予測している。
アクセシビリティと使いやすさの向上が、2010年の6400億ビューから数字を伸ばした要因となったと言えよう。現在市場を独占しているのはアメリカである。
「この4カ国の2011年オンラインビデオ視聴数は前年比20%増の勢いで伸びており、売上高は30億ドルを超える見通しである。」と、シニアアナリストのMai Hoangは語る。「動画購入やレンタルも歳入の一部ではあるが、大半を占めているのはアメリカ市場で、Netflixの会員向けストリーミングサービスが主たる収入となっている。4カ国合算での売上高は、2015年までに70億ドルに近づくと予測する。」
有料での利用は伸びてはいるものの、無料視聴と比較すると、依然多くの国においてその割合は低い。また、pay TV・無料映画配信・TV番組等、他の視聴形態との厳しい競合は避けられないであろう。
ヨーロッパにおいては、アメリカのNetfilxに似た会員向けストリーミングサービスが地域ごとに始まり売上高を伸ばすと予測される。このサービスは、新規参入企業よりも、Youtube ・Apple・Netflixといった既存のサービスプロバイダによって牽引されると思われる。
今後、広告料に支えられたサービス提供が大きな役割を担い、オンラインビデオの販売・レンタル・会員制の枠を超えた収入の可能性が考えられる。
「ブランド各社がオンラインビデオ配信サービスの可能性に注目し始めたのはごく最近のことである。広告主は、TV向けに作られたコンテンツを再活用するのではなく、オンライン向けのコンテンツを開発、改良してきており、2011年の広告料による収入は前年比50%増が見込まれている。ターゲットをうまく絞った広告は消費者に受け入れられやすい。」とHoangは語る。
特にYouTubeはオンライン広告の可能性に着目しており、見たくない広告は中断できるという選択肢をも視聴者に与え、広告連動型サービスに消費者の興味を引きつけておくことに余念がない。広告料は人気度が反映する料金設定となっており、中断数が少ないほど料金は安くなる。視聴者が興味を引くターゲットを絞った広告を提供することにより、配信サービスをより魅力的にする動機付けを広告主に与えているわけである。
「変容を遂げるモバイルデバイスとオンラインビデオ市場は切り離せない。Android携帯の人気に強く後押しされたスマートフォンの2011年全世界販売台数は4.5億台を上回る見込みである。主にアプリの開発とその利用者数の伸びに牽引されたこの販売増のうねりは、スマートフォンを重要なコンテンツ配信プラットフォームとして位置付け、今ではサービスプロバイダのマルチプラットフォーム戦略には欠かせない要因である。」
「タブレットPCは、スマートフォンにもまして急成長と進化を遂げてきており、コンテンツホルダー、放送局、ハードウェアメーカーは、多くの可能性を秘めたオンラインビデオ市場に大きな関心を寄せている。」
「Online Video Market Report」
http://www.futuresource-consulting.com/report_OnlineVideo.html