Futuresource Consulting社が世界のTV市場に関する最新レポートを発表、2015年に4K超高解像度テレビ (4K UHD) の出荷台数が160%近い伸びを示して3,200万台となり、全TVの販売台数の14%を占めるに至った。2020年には約1.4億台に迫り、その時点での4K UHDの出荷台数は市場の52%を占めると予想されている。この増大とは裏腹に、TV全体の出荷台数は2015年に2%落ち込んだ。
「4K UHDとOLEDは2010年代後半も力強く成長する見通しです」 とFuturesourceのマーケット・アナリストDavid Tettは語る。「こうした技術によって世界のTV市場は以前のような価値を取り戻しつつあります。一台当たりの平均販売価格は、今後数年にわたり上昇を続けるでしょう。」 OLEDの出荷数量は2015年にわずか0.2%の増大であったが、2020年にはこの高品質画面技術への関心の高まりから7%となると見込んでいる。
スマートTVの伸びは世界のあらゆる市場で引き続き力強く、2015年には出荷台数で11%の成長を示し、2020年までには75%以上のTVにスマートコネクティビティの機能が加わると見込まれている。もう一つの特徴である曲面スクリーンについては、サムスンはまだ重点を置いているものの、多くのメーカーでは曲面TVのラインアップを大きく減らしている。
全般に、TVセットの販売成績は、2015年にはほとんどの市場でフラットパネルTVが飽和に達した影響を受け、またいくつかの国々ではロシアとブラジルを筆頭に為替レートや経済状況が悪化したために、振るわなかった。ほとんどの国で大きな落ち込みとなったが、下落の割合が一番大きかったのはヨーロッパで、15%以上だった。
しかしながら、Futuresourceの予想ではこの下落は長続きせず、新興国市場での伸びを中心に他の地域でも回復する結果、2016年には世界全体での出荷台数は2%の成長を見込んでいる。「アフリカ、中東およびアジア太平洋地域の多くの国々では、まだTVの家庭への普及率が比較的低いため、ここ数年は成長の機会があります。」 Tettはこう語った。
- HDR (ハイダイナミックレンジ) が2020年までに欧米で出荷されるすべての4K UHDに搭載されると予測されている
- 家庭向けに大型画面への需要が根強く、4K UHDテレビの販売が増加するため、平均の販売単価も上昇を続ける
この世界のTV市場に関するレポートは、世界の民生用TV市場についての最新の将来展望を提供する。2015年末までのこの市場における主要な進歩を概説し、2020年への見通しをまとめている。