Futuresource Consultingの調べによれば、オンラインビデオの高成長はロシアのホームビデオ市場全体に著しい影響を及ぼしている。デジタル視聴に牽引され2011年の市場の伸びは1000%となる見込である。
市場アナリストのFiona Hoyは、「デジタルサービスは始まったばかりであるが、衰退傾向にあるディスクの損失を相殺し、市場の活性化に拍車を掛けると期待されている。」と語る。
「オンラインでのビデオ視聴を望む人の数は増え続けており、2011年には1000億ビューが予測されている。有料のオンラインビデオは非常に有益なビジネスチャンスである。会員向けサービスを主な収入源としたオンラインでの売上げが、2015年までにはホームビデオ総売上高の30%以上を占めると予測している。」
ロシアのビデオ市場は全体的にまとまりがない。より確立した市場であるヨーロッパと同様、ディスクの販売は衰退する傾向にある一方、海賊版は広域に出回っており深刻な問題となっている。
主に複製が困難だという理由で、3Dビデオ市場への関心は比較的高い。
「3D対応ハードウェアと3D作品をセットにしての販促は好評で、3D Blu-rayビデオの卸売りの70%程度を占めている。3D Blu-rayコンボパックの需要も伸びており、消費者は70%~100%のプレミアム料金に抵抗を感じていない。」
主に3D作品の影響で、映画館の興行収入も2010年には37%の成長を見せた。チケット代は高くなっており、将来に向けた継続的な設備投資の必要性に目が向けられている。一桁台に留まると思われるが、2015年までは右肩上がりの伸びが予測されている。
ブロードバンドの高速化と普及率が鍵を握るデジタルサービスでは、ケーブルプロバイダによる継続的投資が、増収の大きな可能性を生み出してきている。2015年には54%の家庭へのアクセスが見込まれており、これは2011年から約60%の伸びとなる。平均ダウンロード速度は、2011年の2.9Mbpsから2015年には10Mbpsに近づくと思われる。
ブロードバンドの高速化と接続性は、マルチプラットフォーム利用の更なる可能性へとつながり、多くのオンラインプロバイダが接続デバイス対応のサービスを積極的に打ち出してきている。
「ロシアの消費者調査によれば、パソコンでは無料視聴を好むが、同じコンテンツでも家庭の大型スクリーンで視聴可能となれば料金を支払うという結果が出ている。ハリウッドのスタジオにとっては、有料オンラインビデオサービスで増収を図る大きなビジネスチャンスと言える。」
「大手家電メーカーは、接続デバイスを利用したオンラインビデオの増収に着目しており、オンラインコンテンツに直接アクセスできるマルチプラットフォームの提供に余念がない。ここ5年におけるスマートフォンなどのパーソナルデバイスやコネクテッドTVは著しい成長を遂げると予測される。オンラインビデオとマルチプラットフォームを統合したビジネス投資は、メーカー並びにコンテンツプロバイダ、そして消費者にとって価値あるものである。」