フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 133

オーディオ・ハードウェアの販売が28%増に。Futuresourceの四半期トラッカーで明らかに

2017年03月31日

Futuresource Consultingの四半期オーディオ・トラッキングサービスで発表された新たなデータによると、オーディオ・ハードウェアの第4四半期の販売は、前年同期比28%増の102億ドルとなり、他のCE分野を凌ぐ伸びを続けている。

「この突出した第4四半期の実績によって、オーディオ・ハードウェア販売にとって記録的な1年であったことがはっきりと示され、同市場における最近の進歩が、確実に消費者を惹きつけていることを示しています。当社の四半期の数字では、家庭用オーディオとヘッドフォンの双方が、それぞれ33%と24%の伸びで市場を押し上げたことがわかっており、見通しでも2017年を通して成長が続くことが示されています」と、Futuresourceでシニア・マーケット・アナリストを務めるRasika D’Souzaは語る。

スマートフォンの伸びと音楽ストリーミングサービスの人気が、引き続き市場の成長を牽引しているが、AmazonのEchoとDotがより多くの国で展開され、アメリカではGoogle Homeの開始、さらに幅広い消費者によるワイヤレス・ヘッドフォンの採用されたことで、この勢いに拍車がかかっている。

「当社の第4四半期の数字では、EchoおよびDotの販売が急増し、アメリカ国内のワイヤレス・スピーカー販売の約30%、イギリス国内の同カテゴリー販売の34%を占めたことがわかっています。さらに、3.5mm ヘッドフォンジャックを廃止するというAppleの決定によってワイヤレス・ヘッドフォンの販売が加速され、第4四半期のアメリカ国内におけるヘッドフォン販売はワイヤレスが49%を占めて市場の拡大に寄与しました」と、Futuresourceでリサーチアナリストを務めるZlata Jelisejeva氏は語る。

Futuresourceオーディオ・トラッキングサービスでは、ベンダーのシェアについても詳しく報告されている。ワイヤレス・スピーカーの分野では、Amazonが世界全体の出荷台数で2016年第1-第3四半期の5位から、2016年第4四半期にはナンバー2ブランドに躍進した。ワイヤレス・スピーカー分野は、上位数社のオーディオブランドが全販売台数のほぼ半分を占めており、非常に集中した状態が続いている。

同分野では全体的には堅調な実績となっている一方で、多くのサブカテゴリーでは急速に縮小・鈍化が始まっており、複数のベンダーが不安定な状況に陥っている。2016年に不調に終わったのは、Hi-fiシステム、ラウドスピーカー、セパレート、サウンドバーであったが、別のオーディオ関連製品の伸びが、この低迷を上回る形となった。

「オーディオの世界が進展し、消費者がより賢い選択を行うようになるにつれ、新たなテクノロジー、ソフトウェア、コンテンツ、ファッションのトレンドすべてが実績に影響してきます。世の中は変わっていっています。10年前のオーディオ市場は、日本のベンダーとPhilipsが独占していましたが、現在はBose、Beats (Apple)、Harman、Sonosが好まれているほか、Sonyがトップ5の座を争っています。市場が急速に成長する中で、ボイス・パーソナル・アシスタント (VPA) スピーカーやワイヤレス (真のワイヤレス) ヘッドフォンの主要な開発にご注目ください。絶え間なく消費者に支持され、良い製品を発表できるブランドが勝者となるでしょう」とD’Souza氏は語った。

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