スマートホームが密かに台頭していることが最新のFuturesource消費者調査で判明した。最初の機器を導入した消費者がさらなる自動化に熱心であるためだ。
Futuresource Consultingの消費者調査によると、消費者のおよそ3分の1が1つ以上のスマートホーム機器が導入された家で暮らしている。フランス、ドイツ、イギリス、アメリカの4000人以上の消費者を対象にスマートホーム機器、電化製品所有、認識、購入の意思について調査が行われた。現在と将来的な導入から判断してVoice Personal Assistant (VPA) スピーカーも含んでいる。
このレポートは、スマートホームをさまざまなレベルで導入している回答者 (非導入者、ビギナー、中級者、上級ユーザー) を分類することで、スマートホーム市場の寸評を提供するものだ。これは家に導入されているスマートホーム機器の数に基づいている。またスマートホーム技術の使用に関して、各区分毎の行動特性を導き出すことでより深い調査を行っている。
4か国の調査では、アメリカで最もスマートホームが浸透していることが分かった。回答者の38%が1つ以上のスマートホーム機器が導入された家で暮らしていると回答している。ドイツでは回答者はスマートホーム機器導入のアイデアにより抵抗があるようで、家に1つ以上のスマートホーム機器を導入しているのは5人に1人のみだった。
担当アナリストFilipe Oliveiraは「スマートホーム機器の中で最も人気があるのはスマート照明とスマートサーモスタットで、スマートホームへの最初の一歩としては、これらが一般的です。ですが回答者が最初に導入したスマートホーム機器として挙げるのはホームセキュリティーです。温度調節分野の製品が伸びていますが、私たちの調査ではブランド認知レベルが比較的低い分裂したカテゴリーであることが分かっており、この分野のメーカーにとっては難題です」とコメントしている。
エンターテインメント志向の消費者についてのこの最新のレポートによると、オーディオとビデオコンテンツが家での自動化の最初の一歩であることが多い。3人に2人の回答者が音楽とその他のオーディオ/ビデオコンテンツはスマートホームの文脈上、重要であると認識していた。
「この調査結果は、スマートホームは密かに台頭する可能性があることを証明するものです。それはすでにスマートホーム機器を1つ導入したユーザーはさらに家を自動化したがる傾向があるためです」とOliveiraは続けた。「すべての区分で、消費者の30%が近い将来、家の中のより多くのものをワイヤレスでコントロールする予定でいます。ですがその数はすでに1つ以上のスマートホーム機器を導入している消費者の間でかなり高くなっており、上級ユーザーの89%が今後半年から1年の間により多くのものをワイヤレスでコントロールする予定でいます。レポートはこれを各区分で分析します」。
この消費者調査では、サービスプロビジョンとしてのスマートホームの調査も行っている。電気会社、電話会社、セキュリティー会社への加入を通じてスマートホーム機器を導入している消費者はサービスに満足しており、回答者の圧倒的多数が加入を更新するつもりだと答えている。
VPAスピーカーも、スマートホーム導入の重要なけん引役となりえる。VPAスピーカーの最も一般的な使用法は音楽のストリーミングだ。しかしかなりの数の回答者が、VPAスピーカーを暖房や照明の調整などの家の自動化目的で使うと回答した。回答者は、将来的にVPAスピーカーを何に使うかについても回答した。
およそ3分の1の回答者が贈り物としてVPAスピーカーを受け取ったと回答した。少ないが無視できない数の消費者が、VPAスピーカーとセットになったスマートホーム機器を手に入れていることから、一括販売も一つの小売機会であるようだ。
買い換えサイクルが長期であるにもかかわらず、消費者は次回に洗濯機または冷蔵庫を買い換える際にスマート電化製品を購入するという考えに前向きである。スマート電化製品の拡大を妨げるもう一つの要因は、一部スマート電化製品機能への消費者の関心の低下だ。「電化製品メーカーは消費者の興味を刺激する方法を見つける必要があります。恩恵がはっきりとしている機能を優先するべきで、安全性を高めたり節約につながったりする機能が望ましいです」とOliveiraは付け加えた。
これらの障壁にもかかわらず、家庭に広まり家をスマートホームに変えるスピーカーから冷蔵庫に至る製品の今後数年の取り込みは非常によいとFuturesourceは考えている。