Futuresource ConsultingのWorldwide TV Market Report最新号によると、テレビ受信機への消費者需要が2018年に増加すると見られている。4K UHDモデルへの移行による複数の市場の回復で、テレビの販売額が5%増の85億ドルに増加するだろう。「我々は、今年の4K UHDテレビ受信機の出荷台数が、大型テレビ市場の3分の2に相当する、1000万台を越えると考えています。」と話すのはFuturesource Consultingの市場アナリストのDavid Tett氏だ。「消費者がますます大画面テレビを求めるようになっており、これは、4K UHDテレビの提案にうまく合致しているのです。」
中国とアメリカというふたつの世界最大市場では、2017年には減少していたが、大画面テレビと4K UHDテレビが顕著に組み合わさったことで2018年の見通しは明るくなっている。「(これら2つの市場) は、全般的に4K UHDテレビと大画面テレビの浸透という点ではその他ほとんどの市場よりも進んでいます。今年アメリカと中国で販売されるテレビの4分の3以上が40インチ以上サイズのものとなるでしょう」とTettは付け加える。しかし、その他の地域はようやく追いついている状態となっており、西欧では4K UHDテレビの世帯普及率が2022年までに中国の44%に追いつこうとしている。
家庭での4K UHDテレビの大幅な普及基盤を目指し、今では市場全体にコンテンツが見られるようになっている。「Futuresource ConsultingのLiving with Digital消費者調査レポートからは、このようなコンテンツを自宅で視聴したことのある4K UHDテレビ所有者の割合が大幅に増加したことがわかります。これは、SVODサービスの加入者数の増加に加え、リニアTVのコンテンツの選択肢が増加したからなのです」と、Tettは言う。
音声認識機能の搭載は、激戦がさらに激化する高級テレビ市場で、最大手メーカーが展開している最新兵器だ。最も人気のある音声アシスタント (VA) プラットフォームのGoogleアシスタントとAmazonのAlexaは、LG、Hisense、TCLやVizioなどの最新型TVに組み込まれている。その一方で、Samsungは、その2018年型のQLEDシリーズに自社開発したBixbyアシスタントを使用する。Futuresourceでは、多数のブランドがスマートホームやIoTに注力しはじめていることを受けて、TVへのVA機能の搭載が急増することを予測している。
また、メーカーは、よりよい利幅を求めて、QLEDまたはOLEDディスプレイ技術を大画面TVに採用しています。「テレビの最大手メーカー2社は、SamsungがQLEDを推進する一方で、LGはOLEDを支持するという、全く反対の位置にあります」とTettは付け加える。Futuresourceでは、2018年から2022年までの間のこれらの技術の年平均成長率が41%に及び、その結果として、2022年の出荷台数が800万台になることを予測している。
とりわけ、このレポートでは、今年モデルの4K UHDテレビの60%がHDR対応になるという予測が示されている。HDR10は、テレビ製造業界全体で最も一般的なソリューションだが、HDR10、HDR10+、HLG、Advanced HDRやDolby Visionなどの多様な技術が利用できるようになったことで一部の消費者に混乱を招いている。