フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 160

ロケーションベースVR、8億900万ドルに達する。
消費者は没入型技術のソーシャルな側面を受け入れている。

2018年05月30日

ショッピングアーケード、テーマパーク、映画館での体験的なロケーションベースバーチャルリアリティ(LBVR)のニュースが、世界的に大きく報道されている。FoxNext、Zero Latency、Star Warsを手がけるDisneyのILMxLab等は、LBVRに新規ビジネス投資を行っている。そこでは、明確にメインの消費者を惹きつけVRに対する好奇心を満たしている。Futuresource Consultingの最新のVR Tracker Reportによると、これは高い水準の成長によって実証されており、2022年には市場額が8億900万ドルに達すると予測されている。

「アーケード、マルチプレイ・エクスペリエンス、VR映画、VRテーマパークに分類される4種類のLBVRは、2018年第1四半期で飛躍的に成長し消費も伸びた。2018年は通期で2億9,900万ドルになると見込まれている」とFuturesource ConsultingのConsumer Media&TechnologyアソシエイトディレクターCarl Hibbertはコメントした。「この4つのカテゴリのうち、「VRcades」が最も速い成長を見せた。このカテゴリの2017年の消費支出は、LBVR収入全体の40%を占める7900万ドルと推定されていた」。

VRcade部門は、世界で推定4,000の最大のロケーション数があり、そのうち75~80%を中国が占めている。しかし、Futuresource ConsultingのGlobal Virtual Reality Tracker Reportによると、特に中国のVRcadesは、低コストで結果的に限られた品質のエクスペリエンスしか提供していない。

しかしこの領域のもう一端には、ハイエンド、自由移動、インタラクティブなマルチプレーヤー「ロケーションベース」VR体験がある。2022年までに、マルチプレーヤーVRエクスペリエンスは、世界のLBVR消費支出の41%を占めるだろう。

「マルチプレーヤーLBVRでは、プレーヤーはVR環境で他のプレーヤーとともに自由に、制限なく移動することができる。このカテゴリは、設置数が少ないにもかかわらず、予測期間を通じてCAGR(年平均成長率)が最高になると期待されている。消費者は、友人とのソーシャルなつながりに消費したいと考えているためであり、特に先進国市場でその傾向が強い。さらに、マルチプレーヤー導入の大半は、フランチャイズパートナーに限定する独自コンテンツを提供しているため、独占的でありながら魅力を与えている」とHibbertは付け加えた。

The VoidやIMAXのような市場で注目されている企業が、有名なフランチャイズを利用して存在を確立しながら、LBVRの普及を後押しし、この新技術メディアの消費者の興味を惹きつけている。しかし、多くの企業にとって人気フランチャイズのコストに制限があるため、Zero Latencyなどのスタートアップは、独自のコンテンツとエクスペリエンスポートフォリオを構築している。

ロケーションベースVRの人気は高まっている。消費者の意識とそのテクノロジーとの関わりを高めるうえで役立つため、マスコンシューマがVRを採用する時のエントリーポイントとなるからだ。家庭向け市場は予想よりも遅いが、LBVRでは消費者が、ハードウェアの購入に伴う大きな投資コストなしでVRを体験することができる。

本リリースへのお問い合わせは、英国Futuresource Consulting社の日本での提携先である株式会社TAK・アナリティクス・リサーチ(担当:木村)までお問い合わせください。連絡先は次の通りです。
電話: 03-6408-5566 Email Address: takashi.kimura@takanalytics.com