Futuresource Consultingが実施した新しい調査では、北米および西ヨーロッパでの高等教育部門の規模が測定され、コンピューティング デバイスおよびその関連技術の採用状況が分析されている。
スマート キャンパスによる機会の創出
この調査では、スマート キャンパス機能の導入状況および学生のIDカードにさまざまなアプリケーションを関連付けている大学について考察している。その中には、施設の利用、出席状況のモニタリング、図書館の利用、スマート決済が含まれ、米国の約80%の大学が、2020年までにキャッシュレス決済に対応することが予想されている。
Futuresource Consulting主席アナリストのBen Davis氏は、「スマートIDカードの利用は拡大を続け、スマート キャンパス アプリケーションから収集したデータを利用することで、運用効率およびユーザ エクスペリエンスが向上しています」と述べている。「北米では、キャッシュレス決済機能がIDカードシステムの主な推進要因で、63%の学校がこのアプリケーションを利用しています。西ヨーロッパでは、出席状況のモニタリングに重点がおかれ、74%の大学がこの機能を活用しています」
eスポーツの拡大
eスポーツは、今後数年間に大学がハイエンドPCを導入する主な要因となることが予測されている。eスポーツ対応機器のインストール ベースは、2021年までに北米で22%、西ヨーロッパで39%増加する可能性がある。大学を拠点とした多くのeスポーツ リーグがすでに両地域で設立されており、それによってeスポーツ対応のPCだけでなく、競技スペースの装備に必要なAV機器や放送機器にまで投資が促進されている。
西ヨーロッパの大規模な大学の約3分の1が、現在ヘッドマウント ディスプレイ(HMD)を所有している一方で、中小規模の大学で所有しているのは10%にも満たない。北米では、HDMを所有している大/中規模の大学の割合は約5分の1である。大きな増加が見込まれ、北米の大/中規模の大学の80%以上が2021年までにHMDを所有すると予測され、西ヨーロッパでも同様の状況が展開されると思われる。
ティア2の大学がクラウド ストレージを導入
北米および西ヨーロッパの両地域で、約3分の2の大学がクラウド ストレージ ソリューションを使用している。Davis氏は、「大西洋を挟むティア2の大学は、クラウドの導入に関して最も進歩的です」と述べている。「我々はこれらの大学を、世界の上位500位には入らないが、Times Higher Education World University Rankingsには入る大学として分類しています。北米の83%および西ヨーロッパの75%のティア2の大学がクラウドサービスを利用しています。世界の上位500社に入るティア1の大学でのクラウド導入ペースは遅く、現在は、北米の61%、西ヨーロッパの69%にとどまっています。ただし、クラウドを利用している第一階層の大学は、複数のサービスプロバイダーを利用する傾向があることは注目に値します」
GoogleのG-Suiteが北米で10%、西ヨーロッパで15%のシェアを獲得して利用が増えてきているものの、Microsoft Officeが依然として生産性向上のために最も利用されているツールである。ただし、高校までの教育機関でのG-Suite採用の急速な伸びを考慮すると、G-Suiteのシェアは今後の重要な指標となる。