フューチャーソース・コンサルティング(Futuresource Consulting)が発表した新しい業界レポートによると、デジタルカメラ市場は2019年、世界での出荷台数が20%落ち込むという厳しい1年となった。しかしレポートによれば、貿易額の下降とは相反し、プレミアムデバイスの需要は高まって来ているという。
「前から言われていたことだが、スマートフォンの影響が続いているということはもはや大げさな話ではない。」とフューチャーソース・コンサルティングのリサーチアナリスト、キャメロン・メルドラムは話している。「撮像能力が大幅に向上したことによって、固定レンズ市場における共食い状態が止まらず、ローエンドのDSLRセグメントにまで食い込む結果となっている。さらにミラーレスカメラの厳しい競争が、DSLRにプレッシャーをかけることになってしまっている。」
「しかし明るい兆しも見えている。全体的に言えば、2019年はプレミアムデバイスへの需要が高まったことから、YoYで貿易額は9%上昇し、489ドルに達すると予想している。ミラーレスセグメントもまた価値が8%ほど上昇し、2019年、最終的な数字は世界規模で36億ドルに達すると見られている。動画仕様のミラーレスデバイスにとっても特筆すべき1年となった。Panasonic S1HがNetflixのオリジナルコンテンツを撮影する初のミラーレスカメラとして、Netflix Post Technology Allianceの認証を受けたのだ。」
ブランドを見てみると、キヤノンが引き続き業界全体のトップの地位を占めており、ソニー、ニコンが後に続いている。利益が出やすいミラーレスセグメントにおいては、ソニーがトップを走り、キヤノン、富士フィルムがそれに続いている。
「デジタルカメラのメーカーは地域や購買活動の違いといった多くの違いが存在する成熟市場の中にある。貿易量が下降を続け、貿易額もそれに続くという傾向が継続するならば、マーケットプレーヤーは将来確実に成功を収めるよう、一生懸命、そしてスマートに動かねばならない。」とメルドラムは話している。