世界のバーチャルアシスタント市場は2020年も順調に成長し、出荷台数は15% の伸び率を達成しました。さまざまな産業やCEカテゴリーに歯止めをかけた、COVID-19パンデミックという試練があったにも関わらずのことでした。
Futuresource Consulting社の 最新のマーケットトラッカー によるとオーディオ/ビジュアルおよびパーソナルエレクトロニクス製品カテゴリーにおけるVA(バーチャルアシスタント)対応製品の売り上げが黒字への道を切り開き、テクノロジーのポジティブな未来を作るトレンドとなっています。
「パンデミックCOVID-19はバーチャルアシスタント市場を弱体化させたが、その影響は短期間だった」とFuturesource Consulting社の主席技術アナリストSimon Forrest氏は語ります。 「業界内の多くの人が当初思い描いていたような暗い光景はみられませんでした。2019年の24%の出荷台数増加と比較すると、昨年の15%の伸び高は限定的な鈍化(an isolated slowdown)で、消費者のVA対応デバイスへの変わらぬ愛情を証明しています」。
Siri とGoogle Assistantが一騎打ち
全世界のすべての製品カテゴリーにおいて、2021年上半期の市場シェアはAppleのSiriとGoogle Assistantが同率首位となりました。Baiduは中国市場のみの展開に関わらず、背後に迫りました。
「よくみるようになったのは、AlexaとGoogleアシスタントが同じデバイス内に共存するケース」とForrest氏は語ります。「この『複合(マルチパイル)』カテゴリーは、今やデバイスの4台に1台の割合で存在しており、一部の市場参加者にとっては、ほとんどステルス的に市場シェアを拡大していることになります」。
アジア太平洋地域が圧倒的シェアを獲得
「地域別にみると、アジア太平洋地域が目ざましい発展をみせ、今年末までに世界市場のほぼ半分を占めるようになると予測しています。これはBaidu社のDuerOSを筆頭に、 中国語のVAが台頭してきたことによるものです。EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)では、Googleアシスタントが優勢で、 アメリカではSiri が代表選手です」
バーチャルアシスタントの明るい未来
未来に目をむけると、 Futuresource社はVA対応製品の市場は動き続け、2025年までに出荷台数はCAGR(年平均成長率) で14%の伸び高を達成するだろうと予測しています。そのころには、CEおよびオートモーティブセグメントにおけるグローバルなインストールベースは2020年と比較して2倍以上となり、85億台数を超えるだろうともFuturesource社は予測しています。さらに、2025年にはCE製品の5台に4台がバーチャルアシスタント機能を搭載するだろうとのことです。