Futuresource Consultingの調べによれば、2015年までの予測期間において、アメリカと西ヨーロッパのゲーム市場は順調に伸び、販売総額ではアメリカ157億ドル、西ヨーロッパ102億ユーロに達すると思われる。この間、両地域において、パッケージゲームの売り上げは徐々に落ちると思われるが、著しいオンライン市場の成長により埋め合わされるであろう。
無料アプリ、気軽に楽しめるコンテンツ、会員制(サブスクリプション)サービスがオンラインゲームの成長を牽引している。これに伴いハード&ソフト両メーカは収入の活路を見出しているのみならず、より充実した会員特典とダウンロードコンテンツの提供により「移り気な」顧客を引き留めるという相乗作用の恩恵にも預かっている。
2015年のオンラインゲーム販売総額は、アメリカ60億ドル(2011年 30億ドル)、西ヨーロッパ30億ユーロ(2011年10億ユーロ)に達する見込みである。
タブレットとスマートフォンの普及が引き金となっているモバイルゲームの成長は、アメリカ&西ヨーロッパ全域に及ぶゲームアプリ市場に旋風を巻き起こしている。勢力を増してきている複数オペレーティングシステム対応のゲームフランチャイズ、ユーザー層の多様化、低価格化並びに無料ゲームの提供が後押しをしていると言える。しかしながら、この動きはゲーム専用機市場にとってはマイナス要因となっており、ゲームマニアではない一般の人々をゲーム機市場から遠ざけている。
PCオンラインゲームの成長を促しているのは、ブラウザとソーシャルネットワークゲームである。多くの場合無料だが、支払いにはマイクロペイメント(プリペイド型少額電子決算が主)が利用されている。「Steam スティーム」のような先進のPCゲームサービスの人気は高まっており、マルチプラットフォーム機能は注目すべき成長分野と言えよう。
パッケージメディアとBlu-rayドライブ対応の新ゲーム機種の発表が、2012年後期並びに2013年後期に予定されており、渇望されている市場の活性化に期待が高まる。ゲーム離れしていたユーザーの興味を呼び戻し、短期的にではあろうがパッケージゲームの再燃を促すことになるであろう。しかしながら、ゲーム需要は専用機以外で満たされることから、新ゲーム機への買い替えは一部ユーザーに留まり、ゲームのデジタル配信がカタログ販売に取って代わると思われる。
現在デジタル環境での複製が困難であるAAAタイトルが、パッケージメディア収益維持のカギを握っているが、これはあくまでも短期的で、2015年以降は全バージョンのダウンロードがパッケージゲームの売り上げに食い込んでくると思われる。