Futuresource Consultingの新たな市場調査レポートによると、世界のウェアラブル市場 は、2021年に好調な業績を収め、数量ベースで28%の成長を果たした。年間を通じた活況により4億8800万台が出荷され、小売価格で730憶ドルを達成した。
ウェアラブルの課題と機会
「昨年は好調でしたが、2022年はまだその期待に応えることができていません」とFuturesource ConsultingのシニアマーケットアナリストであるGuy Hammett 氏は言う。「挫折の連続です。現状の半導体不足が依然として存在感を示しており、より広範な供給側の問題も山積で、マクロ経済の不確実性もあります。こうした課題はありますが、依然として今年の成長は期待できます。
ウェアラブル業界全般が注目されており、その長期的な未来を取り巻く興奮のようなものがあります。ウェアラブルは転換点に達しつつあり、まもなく世界の主要経済圏のほとんどで絶対的な必需デバイスとなるでしょう」
Appleが優位性を堅持
Appleは2021年のウェアラブル商戦を率先し、手首装着型と聴覚型の両セグメントで優位に立ち、購入された端末の4分の1以上を同社が占めた。ハイテク大手のAppleは、これら2つの主要市場で長らく圧倒的なシェアを占めている。また、補足的な製品やサービスからなる広範なエコシステムを構築しているという点でも、競合他社に先んじている。
Appleに最も近いライバルであるXiaomi、Samsung、Huaweiはどれも1桁台のシェアだが、市場シェア5%以上を占めるベンダーはAppleを除けばこれだけしかない。
各地域からの情報、アジア太平洋地域がリード
「手首装着型のセグメントは、あらゆる地域で前年比での成長が見られました」 とHammett氏は言う。「当社の調査によると、アジア太平洋地域が現在50%に迫りつつあり、北米地域や西ヨーロッパ地域という従来の大規模市場全般に大きな影を落としています。これら2つの市場は、普及率ははるかに高いのですが、成長率は合わせて41.5%です。
中国を除くアジア太平洋地域で急成長しています。昨年、インドで低価格のスマートウォッチ型スポーツウォッチが大きく販売を伸ばしたこともあり、アジア太平洋地域は数量ベースで20%以上もの成長率を達成しました。これはほぼ完全に国内ブランド、特に顕著なところではNoiseやBoATなどが推進しています。ほとんどの販売価格は60ドルを割っており、こうした現地ブランドが市場シェアの70%以上を獲得しています。
市場成長率という点では2位であった中国も、消費者動向はインドと似通っています。ただし、中国は手首装着型ウェアラブルの普及がインドよりも進んでいることから、成長率は低くなっています」