Futuresourceの新しい消費者調査において最も所有者の多いホームオーディオ製品はスマートスピーカーであり、家庭における優位性を保持し続けています。2022年6月にアメリカ、イギリス、ドイツ、日本、中国で実施したAudio Tech Lifestylesの調査では、スマートスピーカーの所有率は昨年度の調査から6%ポイント増加したことも明らかになりました。
スマートスピーカーの用途は音楽だけではない
Futuresource ConsultingのシニアマーケットアナリストであるGuy Hammett氏は、「当然ながら、消費者によるスマートスピーカーの使用方法としては、音楽の視聴が引き続き上位を占めています。」と語ります。「ですが、その割合は過去3年間で徐々に減少してきました。今では、音楽以外の用途にもスピーカーを用いる人が増えています。天気情報を聞いたり、タイマーを浸かったり、アラームを設定したり、リマインダーを設定するといった使い方が、従前の年度よりもより一般的になってきました」
この調査によると、消費者のスマートスピーカーに対する満足度は全体的に高く、ハイテク企業の製品が満足度上位にランクインしています。しかし、利用の拡大に伴い、話しかけた言葉を機器が正しく理解してくれないという不満が上位に挙がっています。
また、機器のプライバシーに関する消費者の懸念もあります。ただし、この懸念はほとんどの市場で徐々に減少しています。もっとも、例外は日本です。日本ではプライバシーに関する懸念が増加しています。これは、スマートスピーカーの普及において日本市場が比較的早期の段階にあるためと思われます。
ブルートゥーススピーカーは依然として好調
スピーカーも依然として消費者に人気があり、ほぼ3人に1人が所有していると回答しました。ほとんど、または常に自宅で使用している人が所有者のうち40%以上を占めています。しかし、この点は世代間で差があり、若い世代は屋外での使用を重視しています。
Hammet氏は、「消費者がブルートゥーススピーカーに対して感じている主な不満は、バッテリーの寿命関連のものです」と言います。「これは、当社が実施したオーディオ機器に関するライフスタイル調査の全てに一貫する重要なテーマであり、解消に向かってはいません。今年、ブルートゥーススピーカー所有者のうち70%以上がバッテリー切れを経験していますが、その多くが充電をし忘れてしまったと話しています。
人気が広がりつつあるサウンドバー
テレビ・映画の音声に焦点を絞った本調査では、直接デバイスの内蔵スピーカーを使って視聴している消費者がほとんどであることがわかりました。しかしながら、サウンドバーの人気も高まりつつあり、テレビの音質を向上させるためにサウンドバーを購入した人がサウンドバー所有者の40%以上を占めています。
また、映画やテレビ視聴以外の用途にサウンドバーを購入した人もかなり多数に登ります。重要度が高まっているサウンドバーの用途として、音楽鑑賞が挙げられています。
持続可能性の重要性は上昇する一方
持続可能性は、オーディオ製品の購買決定において重要な要素となりつつあり、引き続き注目されています。アップグレードや修理を簡単に行える製品の購入に興味があると答えた回答者は60%以上に登ります。また、半数以上が現在使用している機器の下取りやリサイクルに関心を持っています。
金融不安にもかかわらず、オーディオ製品は依然として購買対象商品となっている
「生活費の問題が大きな注目を集め、新しく不確実な将来に直面している中、回答者は、依然オーディオ製品を購入したいと答えています。」とHammett氏は言います。「しかし、もう少し掘り下げてみると、2022年に支出できる金額はわからないと回答している人が多いのです」