2013年11月英国ロンドン発―世界的なAVヘッドフォン市場は今年2億8400万ユニットの軌道に乗っているが、これは前年比9%増に相当し、売上金額は82億ドルに達することがFuturesource Consultingのリサーチで明らかとなった。
「ヘッドフォン市場は高度に分散していて、ますます競争的になっています。あらゆる価格カテゴリーで新ブランドが現れています」としたうえで、「伝統的なヘッドフォンのブランドであるPhilips、Sony、JVC、Sennheiser、Skullcandyは2012年における世界的なヘッドフォン出荷量、同金額の45%を占めていて、Beats by Dr. Dreが世界的な売上の23%を確保しました」 と、FuturesourceのRasika Iyerリサーチアナリストは述べている。
予測期間中、数量の増加が見込まれている中、売上は2017年までに横ばいになる。これは、市場がスマートフォン、タブレット、家庭用オーディオシステムなど、使用されている6.6台のオーディオ機器に対しヘッドフォン1セットと飽和しているためである。ヘッドフォンは増加を続けるデバイスの間でシェアされ、他方では多くの消費者がデバイスに付属しているヘッドフォンを使うことになろう。
しかし、世界的な小売価値は2013年から2017年にかけて年平均成長率(CAGR)5%で成長が続くと予測されている。これは平均販売価格がさらに上昇するためで、プレミアムのオーバーイヤーヘッドフォンが全体の市場を上回るペースで成長を続けることが見込まれている。
オーバーイヤータイプの商品は2012年の世界売上で44%を占めているが、2017年までに52%まで高まるとみられる。Beats by Dr. Dreのようなプレミアムファッションブランドは主として家庭用のオーディオアクセサリーであったものをプレミアムポータブルAVアクセサリーに変えるほど革命を起こした。
インイヤータイプのヘッドフォンは数量面でヘッドフォン市場を支配し続けるが、より高価なオンイヤー、オーバーイヤータイプが、とりわけ米国や欧州でシェアを増やしつつある。
「マイク付きのヘッドフォンが2012年のトレンドで、世界的なヘッドフォン出荷量の17%を占めました」としたうえで、「このトレンドは続き、2017年には全出荷量の41%がマイク付きになると予測しています。この機能に対する需要は、スマートフォン、ビジネスユーザー、通勤客の支持を受けますが、ドイツのような国では人気が下がるでしょう。ここでは、この機能が品質を犠牲にすると考えられているからです」とIyerは述べている。
2012年、最大の販売チャネルはCEリテーラー向けで、市場の38%を占めた。テレコムのチャネルは2013年以降増加し、多くのベンダーがAVヘッドフォンを提供するのにモバイル専業を活用する。一方、APACにおける中国やインド、ラテンアメリカの新興市場は全体的な市場を上回る速度で成長するだろう。この速度はデバイスの浸透増とリンクしている。