Futuresource Consultingの最新の調査によると、英国でビデオ娯楽全体に使われる費用は2014年から平均年2%増加し、2018年までに100億ポンドに達する見込みだ。有料テレビと定額制のビデオ・オン・デマンド・サービスがその主な牽引役で、1件ごとに課金方式のデジタル・ビデオの伸びはわずかだ。Futuresource Consultingの最新の調査によると、2013年から2018年までのパッケージ・ビデオに対する消費者支出が10億ポンド減る見込みなのに対し、映画の興行成績は堅調である。
Futuresource ConsultingのSenior Market AnalystであるDavid Sidebottom氏曰く、「英国のビデオ市場は、デジタル・サービスの選択肢の増加、インフラの著しい改善、接続端末の進化によって、ここ2年の間に大きな変化を遂げた。進化した小売業者やサービス・プロバイダーが消費者の行動様式を具現化し続けることで、英国は世界でも最も活発なデジタル・ビデオ地域になりつつある。」
英国でビデオに費やされる消費者支出の合計は2013年に4%増加し、90億ポンドを越えた。2014年にはさらに3%の成長が予想される。デジタル・ビデオ・サービスの普及によってこの成長がもたらされているが、それは有料テレビ会社のオン・デマンド能力増強と定額制のビデオ・オン・デマンド (SVoD)サービスの増加の両方によるものだ。Skyは最近同社のオン・デマンドサービスを増やす予定であると発表した。最新作の映画のデジタル・コピーの販売や、DVDも維持し、また同サービスの一環として郵便でDVDを配達する計画もあわせて発表した。
「Skyは進化し続ける。他の有料テレビプロバイダーやSVoDサービスとの競争激化に伴い、消費者の鑑賞の選択肢も増やし続ける。約1,000万人の顧客をオン・デマンドユーザーに転換することも続けながら行うことになる。」とSidebottom氏は言う。
英国は依然世界で最も活発な有料テレビ市場で、強力な無料放送の提供と競争の激しい有料テレビの双方を維持している。有料テレビ家庭は2013年に57%の普及率となった。1か月に33ポンド以上支払われており、英国の月間電気通信事業収入 (ARPU)は、世界で最も高額な内の1つである。スポーツや魅力的なコンテンツの選択肢、それに優れたサービスでの視聴オプションによって有料テレビが推進されている。
2013年の家庭用ホームビデオ全体の成長は横這いで、20億ポンドを少し越えた程度ではあるが、オンラインのSVoDサービスが業績改善の主な理由である。SVoDサービスの166%成長は、パッケージ売りのビデオが7%下落したのを十二分に補った。一方、1件ごとの課金方式のデジタル・ビデオは、パッケージ・レンタル・ビデオの相当な落ち込みを埋め合わせるのに苦心した。
「2013年の小売価格が9%減少しても、英国全体のパッケージ・ビデオ市場は、大半のヨーロッパの国よりも業績がよく、米国により近い」とSidebottom氏は言う。「英国は約16億ポンドの規模で、世界第3位、ヨーロッパでは最大のパッケージ・ビデオ市場だ。もっともこの地位も2014年はドイツに迫られる可能性がある。」
デジタル・ビデオ分野に注力し、英国全体のデジタル・ビデオ市場は2013年に47%成長し、約4億5,000万ポンドに達した。大きくはオンラインSVoD会員が増加する勢いが続いていることによるもので、そのためデジタル分野全体が2017年に10億ポンドを超えるのを後押ししそうである。
SVoDの成長はNetflixの成功によるところが大きい。Netflixの勢いはとどまるところを知らず、その存在感は増し続けている。
「Netflixは、英国のSVoD分野でトップ企業としての地位を確立したが、それは主に強力なテレビ・フランチャイズとその広い供給能力による。しかし、Lovefilm を統合し、米amazonのビデオ戦略を効率的に再現したAmazon Prime Instant Videoが開始しても、またより新しい映画に特化したSkyのNow TVと結合 しても、消費者が割増料金の視聴を選択するのは増えなかった。それが回りまわって業界の収益をひっぱることになるのだが。