2014年8月15日英国Dunstable発―Futuresource Consultingの最新の四半期調査によると、世界のプロジェクター出荷台数はこの第2四半期に数量ベースで前年同期比17%という驚異的成長を見せて200万台に達し、金額ベースでは9%成長して24億ドルに達した。
Futuresource Consultingの市場アナリスト、Claire Kerrison氏は次のように言う。「世界のプロジェクター市場は、特に西欧と北米においてB2CとB2Bのチャンネル双方で、ワールドカップのプロモーション活動の恩恵を受けました。」
「数社のベンダーではこの機会に乗じて価格が下落し続けている解像度1080p製品を目玉とすることで、家庭用ディスプレイ向け製品を前年同期比63%増の14.2万台販売しました。一方で、近年の低価格化によって1080p製品は、企業向けディスプレイおよび施設向け利用の需要も急増し、それぞれの分野で前年同期比125%および327%の販売数増加が見られました。」
「結果として、解像度XGAの製品は競争力の維持に失敗して市場シェアを失い続けており、第2四半期の世界販売数は1%未満の伸びで横ばい、現在のシェアは市場の39%に過ぎません。」
EMEA (欧州・中東・アフリカ)
2014年第2四半期、EMEA市場は数量ベースで前年同期比32%増の61.1万台となり、金額ベースで前年同期比20%増の6.68億ドルに達した。
出荷数量は、小売りとB2Bチャンネル双方を使ったワールドカップ向けプロモーション活動と1080p製品価格の下落によって押し上げられ、家庭用ディスプレイ向け販売台数は前年同期比104%増の6.7万台となった。一方、ここでは成長率は維持されていないが、企業向けディスプレイおよび施設向け利用の分野では、1080p製品の販売数はそれぞれ230%および998%の伸びを見せた。
市場のパフォーマンスと各国の小売りチャンネルの強さとの間には明確な相関関係があった。ドイツ、イタリア、オランダの前年同期比平均は64%であり、販売数量でもっとも高い成長率を達成した。
東欧での出荷台数は前年同期比で1%未満の伸びに留まっており、7.2万台となった。金額ベースでは3%下落して7300万ドルで、この下落の大部分はロシアとウクライナに起因している。この2国ではマクロ経済と政治的要因が市場のパフォーマンスに深刻な影響を与えている。
中東およびアフリカでの出荷数は第2四半期に42%の成長を見せ15万台を達成した。市場は、アラブ首長国連邦やナイジェリアなどのアフリカ諸国における同期間の主要プロジェクトの引き渡しと強含みのランレート (直近を基準にした将来予測) の恩恵を受けた。
APAC (アジア太平洋地域)
APACにおけるプロジェクターの出荷台数は数量ベースで前年同期比10%増の82.7万台、金額ベースで5%増の9.33億ドルとなった。
Kerrison氏は次のように言う。「市場の成長はいくつかの要因による結果です。主に中国、インド、インドネシアにおける解像度SVGA製品のランレートの上昇、最近の価格低下に後押しされた1080p製品への需要の急拡大、そして、特に日本、マレーシア、インドで顕著な多数の製品の登場です。」
1080p製品は現在APAC市場全体の5%を占めており、2013年第2四半期から1.5%上昇した (数量ベースで前年同期比58%増)。EMEAと同様に、1080p製品の平均販売価格は前年同期比で14%下落し、この急落が他の解像度の製品に影響を与えている。XGA製品も押し出される形となり、第2四半期には数量ベースで前年同期比たった4%増となった。
南北アメリカ
南北アメリカ市場は第2四半期、数量ベースで前年同期比14%増の63.1万台、金額ベースで4%増の7.67億ドルとなった。出荷台数は、またもワールドカップのプロモーション活動 (活動レベルは西欧ほどではなかったが) からの恩恵と、それに加えていくつかのプロジェクトの引き渡し (特にアルゼンチン、メキシコ、カリブ海諸国) および、アジア太平洋地域やEMEAと同様にSVGA製品ランレートの上昇 (販売数は前年同期比28%増) の恩恵を受けた。
南北アメリカも、第2四半期に世界中で見られた1080p製品価格急落の例外ではなかった。1080p製品の平均販売価格は21%下落し、販売数は前年同期比で34%増加して5.8万台となった。販売数の増加がもっとも顕著なのは米国で、家庭用ディスプレイの出荷数が前年同期比38%、企業向けと施設向けがそれぞれ63%と29%増加した。
第2四半期の世界の数量ベースおよび金額ベースデータの詳細はデータファイルとして利用可能である。2018年の予測を提供する155ページのレポートでは、主要地域を特集し、市場勢力図および製品の特性に起こった最新の変化についてレビューを行なっている。