2014年9月1日英国Dunstable発―Futuresource Consultingのプロ用カムコーダ最新リポートによると、2014年のプロ用カムコーダ世界市場は、2013年上半期から市場全体で5%(7,000台)成長、合計149,000台に達するという極めて快調な上半期に恵まれた。
しかし地域レベルでの展望は入り混じっている。APACは依然として成長めざましく、インドは2013年上半期から2014年前半の間に大幅な成長を見せている。
「インド市場はこの期間を通して58%(約9,000台)の取引額を占めていますが、これはデジタル革命が進行中であり、特に結婚式やイベント市場においてエントリ・レベルのプロ用製品に対する急激な需要が高まっている所を非常に低コストなプロシューマ製品が満たした事によります。」Futuresource Consultingの放送機器部門主任アナリストAdam Coxは言う。
このように大幅な成長をしたインドであるが、2014年上半期における世界的出荷台数の4分の1以上を占める中国市場に比べれば、依然として小さな存在である。
「合衆国、西ヨーロッパ――及び韓国などAPACの一部――のような成熟市場については、また別の話になります。」Coxは言う。「このような市場は大抵の場合既に飽和しており、従来とは異なる集録デバイスとの競争は損失が大きく、また、HD及び非テープへの移行はほぼ完全に済んでいます――アップグレードしていないのは極めて末端の遅い購買層だけです。
「たとえエンドユーザーが今の所HDによる撮影を計画していないとしても、これは事実です。世界的規模において、2014年上半期に出荷されたプロ用カムコーダの91%がHD/SD切替可能モデルであり、SD専用機はわずか1%でした。膨大な数のエンドユーザーは現時点におけるHD撮影の意向がなくとも、将来的にその為に買い替えをする必要もないのです。」
4Kにも同様のシナリオが展開中である。4Kカムコーダは2014年上半期取引額の1%を占めているが、4Kコンテンツはハイエンド製品以外での需要が極端に少ないにもかかわらず、この成長は比較的速い。エンドユーザーに対する質問は「あなたは今、4Kでの撮影を望みますか?」よりも、「あなたは次の5年以内に4Kでの撮影を望みますか?」である。大体において、4Kプロ用カムコーダの採用は比較的速やかに増え始めるはずだが、しかしこれはベンダーによる商品展開次第であり、そして恐らく最も重要なのはその価格帯にある。
Futuresourceの調査は、プロ用カムコーダの世界的な平均売値は2013年から約$2,000下落して、2014年上半期には$4,000足らずになった事を示している。通常、新しい技術はかなりの期間、価格プレミアムを持つはずだが、価格設定に対するプレッシャー、特にDSLR(デジタル一眼レフカメラ)の脅威に対抗する為に、先行するケースよりも急速に価格が下げられる事となった。
「成熟市場が再び成長期に戻るに先立って、4Kが真のテイクオフをする必要があります。それまでの間、国際市場は新興成長市場とそして成熟市場に分裂したままでしょう。」Coxは言う。