フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 92

世界のビデオウォール市場で大きな活気を見せる精細画素ピッチLEDが、2019年までに市場の31%を占める予想

2015年06月17日

2015年6月1日英国Dunstable発―英国市場調査会社Futuresource Consultingは、ビデオウォール (マルチディスプレイ) に関する調査を10年にわたって続けてきた。この度世界のビデオウォール調査レポートの第5版を公表した。レポートでは、タイル式マルチディスプレイ市場での技術普及率について調査を行っている。このレポートでは、従来通りすでに確立された技術、リア・プロジェクション・キューブ (RPC) やスーパー・ナロー・ベゼル (SNB) の追跡調査に軸足を置いているものの、より多くの関心を精細画素ピッチLED (NPP LED) に向けている。精細画素ピッチLEDはこの分野で大きな注目を集めており、本格的なライバルになりつつある。

レポートによると、マクロな視点から見てビデオウォール市場は2014年に53.6万ユニットに達しており、2013年 (RPCとSNB) から19%成長した。この成長の主力はSNBで、22%の伸びだった。またFuturesource Consultingの調査から、NPP LEDの成長が際立っており、競争環境を急激に変化させ、リテール、パブリックディスプレイ、ブロードキャストなど業種別に勢いを増していることもわかった。コントロール室での利用のような大きな価値を生むニッチ分野は、ほぼ中国の独壇場だった。中国では州・政府のプロジェクトによってしっかりとした足場が与えられる。

レポートが確実に示しているのは、NPP LED技術が注目に値するということだ。Futuresource Consultingの出した予測によると、2019年までにNPPはビデオウォール市場全体の31%、面積 (m²) にすると15%を占めるという。

Futuresource Consultingでディスプレイとブロードキャスト機器を担当するアソシエイトディレクター、Chris Mcintyre-Brown氏は次のように語った。「NPP LEDの持つ破壊的影響力は早期から明らかでした。2014年から2015年にかけてこの技術をラインナップに加えるディスプレイベンダーが増え、競争環境が劇的に変わりました。盛んに論じられているのは、NPP LEDが従来からあるタイル式ディスプレイの選択肢にどの程度の影響を与えるのかということです。NPPがRPCとSNBから市場シェアを奪うことになるのは確かでしょう。しかし、技術が共存できるチャンスはたくさんあります。それは通常、独自の強みを持っていたり、業種別市場から需要があったりすることで決まります。」

リア・プロジェクション・キューブ (RPC) は、2014年の間に6売上高が6.5%低下しただけで、思いのほか粘り強い。ニッチではあっても安定的な分野であり、当面の間このような状況が続くと予想される。

SNB部門は2007年の導入以来、業界の主力であり続けている。SNBは2014年に49.9万ユニットを記録したように、過去に非常に好調な年があった。2010年以降の年平均成長率 (CAGR) は16%だ。結果的に、Futuresourceの予想では、NPP LEDとの競争が高まる中で、幅広い業種と製品に対して高い認識を持った販路からの需要が増加し、2017年まで2桁台の健全成長が続くと見ている。

地域的観点から見ると、アジア太平洋地域、特に中国内での成長が、RPC、SNB、NPPすべての部門の成長を牽引している。

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